赤ちゃんのかわいさの秘密とは?
電車の中でたまたま居合わせた赤ちゃんにじーっと見つめられ、思わず「かわいいなぁ」と頬がゆるんでしまったという経験がある人も多いのではないでしょうか。赤ちゃんって、どうしてこんなにかわいいのでしょうか。その秘密を探ってみます。
“かわいい”ってどういうこと?
「かわいい!」が口癖になっている人もいるように、近年ではかわいいの概念も多様化し、どんなものを見てそう思うかは人それぞれです。しかし、もともとの“かわいい”には、下記の7つのポイントがあると言われています。
1.体に比べて大きな頭
2.大きく、前に出っぱったおでこ
3.顔の中央よりやや下に大きな目がある
4.短くて太い手足
5.丸っこい体
6.やわらかい肌
7.ふくらんだ頬
これを見てみると、ぴったりと赤ちゃんの特徴に当てはまりますね。このポイントはノーベル賞を受賞したオーストリアの動物行動学者コンラート・ローレンツにより「ベビースキーマ」と名づけられたもの。このベビースキーマに該当するものを見ると、人は本能的にかわいいと感じることが証明されています。
かわいい=守りたい
ベビースキーマに対する反応は、自動的に起こるものです。赤ちゃんを見て、思わずほほえんだり、あやしたりしたくなるのは、本能的反応だったのですね。そしてこの反応は、「守りたい」という感情に直結します。これは、人間だけに起こるものではなく、動物(ほ乳類)にも言えることです。子犬や子猫などの動物の赤ちゃんも、人間の赤ちゃんと同じように丸っこく、大きな目をしていますよね。これは、親の庇護責任を刺激し、自分の身を守るためでもあるのです。
“かわいい”は赤ちゃんの生き残る術
「今が一番かわいい時期」と赤ちゃんに対して言うことがあります。一番かわいい時期とは、いつなのでしょうか。ベビースキーマの条件にもっとも当てはまるのは、生後11ヵ月頃と言われています。確かに、生まれてすぐの赤ちゃんより、1歳頃のほうが外見的にかわいらしいと感じられますよね。実は、これにも理由があるようです。生まれてすぐより、歩き始めて活発になる頃のほうがケガなどのリスクが増え、大人に守ってもらう必要があるからとのこと。赤ちゃんのかわいらしさは、自分の身を守る術なのです。