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総合監修:二瓶 健次 先生
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病気と予防アドバイス - その他の症状
健診の尿検査で、潜血が出ていると言われました。どういった原因が考えられるでしょうか。
先日、健診の尿検査で潜血が出ていると言われ、病院で血液検査とエコー検査をしてきました。検査の結果は特に問題なしだったのですが、やはり尿検査では潜血がプラスと出てしまいます。
今後半年か1年など定期的に検査をしてみましょうと言われましたが不安です。どういった原因が考えられるのでしょうか? 体質的なこともあるのでしょうか?
二次検診で検査をされた病院で話されたように、今後も定期的に尿検査をしていくのがよいでしょう。
尿に血液が出る状態を血尿と言いますが、血尿には、尿の色が肉眼的に見ても赤い色をしている場合(肉眼的血尿)と赤い色はついていないが顕微鏡で調べると血液(赤血球)が見られる場合(顕微鏡的血尿)とに分けることができます。
血液が出るところは、腎臓(じんぞう)の中でも特に、血液がろ過される糸球体(しきゅうたい:糸まりのようなかたちの毛細血管)、腎臓から膀胱(ぼうこう)にいたる尿管、膀胱の中、膀胱の出口から尿道口までの尿道に分けることができます。
どこから血液が出ているのかは、血尿の強さ、変化(おしっこの最初には血尿があるが、終わりの方ではなくなるとか、1日のうちでも出たり出なかったりとか、定期的に調べた血尿の変化)などの様子や、尿の顕微鏡検査で赤血球のかたち、赤血球以外の細胞が出ているか、特に腎臓に由来する細胞が出ているか、白血球も出ているか、蛋白(たんぱく)も出ているかなどを参考にして決めていきます。
さらに血液検査では腎機能などが検査されますし、エコー検査では腎、尿管、膀胱などの形態の異常があるかどうかを調べます。
このような検査で特に異常がなければ、現時点では心配ありませんので、その後は定期的に尿やそのほかの検査をしながら経過を見ていきます。
そして尿所見や血液検査に変化が出てくるようであればさらに詳しい検査をします。場合によっては腎臓の組織の一部を顕微鏡で調べることもあります。
ご相談のケースは、ほかに所見がなさそうですので、心配はないと思われますが、顕微鏡的血尿といえども、継続して見られるのは体質というのではなく無症候性血尿と呼ばれ経過観察が必要です。病院の指示通り定期的に検査を受けられるのがよいでしょう。