「理性」と「感性」を生かして国語力を養う[2012年度入試で何が問われたか<国語> 「理性」と「感性」に注目して国語力を上げる 第3回]

以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの平山入試研究所・小泉浩明先生の講演を抄録したものです。
ご家庭での国語の勉強に、ぜひお役立てください。

※対象校として首都圏の国・私立中学校を中心に83校を選び、167問題を分析しました。偏差値は四谷大塚の「2011年合不合判定テスト第4回」を使用し、共学の場合は男女平均値としています。



「理性」と「感性」を生かして国語力を養う

●志望校の出題を「理性」と「感性」から考える
 ここ数年は、入試問題激変の年だといえるでしょう。学校は「いい生徒をとりたい」「考えられるお子さまが欲しい」と考えていますので、そのためにいろいろ模索していると思われます。それぞれの学校の今までの傾向と新しい方向性を敏感につかみ準備をしましょう。この対策によって10~20点は変わってきます。

 志望校が特に求めている国語力を分析し、鍛えることに注力しましょう。分析をする際に、「理性」と「感性」に分類することも有効です。「理性」は筋道を立てて物事を判断する能力であり、「感性」は物事を心に深く感じとる働きです。想像力・発想力といってもいいでしょう。志望校がどちらに揺れている学校かをよく見極め、対策を立てていきましょう。

 それでは、国語力を分類し、どの学校にどんな国語力が必要かを見ていきます。


各私立中学校の入試において必要とされる国語力





 三角形の図形の中に入っているものが、国語で必要とされるいろいろな力です。

 たとえば「基礎知識」にある語彙力というのは慣用句など語句の力。最近、慣用句の力が不足しているお子さまが多いと感じています。「首が回らない」などが文章で出てきても、意味を知らないと正しく読解できません。

 その下の文法力は、嫌いなお子さまが多いですが、受験で出る分野は非常に限られたものですので1週間くらいあればまとめられます。ここを落とすのはもったいないので、必ずしっかりやっておきましょう。「その他」というのは文学史などです。

 その上にある「テーマ力」は、出題される文章のテーマに関する知識・教養などです。これは身に付けるのに時間がかかります。一方、その上にある解答力というのは、コツさえつかめば2~3か月で伸ばすことが可能です。三角形の頂点近くにある論理と感性は、先ほどお話しした「理性」と「感性」に置き換えることができるもので、応用力といってよいでしょう。

 なお、上記の表は、特に必要とされる力を特徴的に表したもので、「それだけあれば良い」という意味ではもちろんありません。例えば、「感性」だけあれば慶應湘南藤沢中等部の国語で合格点をとれるという意味ではありません。


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