チャンスは日常生活にあり!自立した子どもに育てるための5つの状況

子育ての目的は人によってさまざまですが、「子どもを自立した大人として世に送り出すこと」もそのひとつと言えるでしょう。
自立した子どもに育てるために、保護者のかたができることは何でしょうか? 実は、そのチャンスは日常生活の中にたくさんあるのです。今日から実践できる具体的な「5つの状況」と、その対処法をご紹介します。

【状況1】着替え

お子さまが小学生になっても、常にはみ出しているシャツの裾をズボンに入れてあげていませんか?かけ違えたボタンをすぐ直してあげていませんか?
子どもは1歳半~2歳頃になると、着替えなど身のまわりのことに興味をもち、自分でやりたがるようになります。最初はもちろんうまくできません。靴は左右反対、ズボンを頭にかぶっている…忙しい朝のしたく中などは、つい保護者のかたが着せてしまいたくなるでしょう。
しかしそこはぐっとこらえて、お子さまが助けを求めてくるまでは自分でやらせましょう。保護者のかたの都合で先回りしてやってしまうことは、自立を妨げます。
また、服を脱いだあとはたたんだり洗濯機に入れたりする片付けも習慣にするといいでしょう。

【状況2】服選び

毎日お子さまの着る服を選んで準備していませんか?
特に男の子のママに多いようですが、お子さまが素直に着てくれるからといって「小さな恋人」感覚で毎日コーディネートしてしまっては、お子さまの自立心は育ちません。「ママに選んでもらわないと何を着たらいいのかわからない」という大人になってしまう可能性があります。
6歳前後からは、なるべくお子さまに選ばせるようにしましょう。ときには全身ボーダーだったり真っ赤だったり、奇抜な組み合わせになることもあるでしょう。それでも「自分で選ぶ」ということが大切です。

【状況3】遊んだ後の片付け

自分でやった方が早いからと、お子さまの出したおもちゃを片付けてしまっていませんか?お子さまが片付けようとしているのに「違うでしょ、これはこっち!」などと横から手を出していませんか?
保護者のかたが先回りしてやってしまうのではなく、一緒に片付けるようにしましょう。お子さまが小さくても、やり方を教えてあげたり片付けやすい環境をととのえてあげたりすれば、だんだん積極的に片付けられるようになります。

【状況4】園や学校の準備と忘れ物

お子さまが4歳前後になったら、保育園や幼稚園の準備はできるだけ自分でさせましょう。このくらいの年齢になると、たいていの園では自分の持ち物は自分で片付けたり、準備したりするようにしています。
小学生になると教科書や体操着など持ち物も増え、忘れ物が心配になる保護者のかたも多いでしょう。しかし、忘れ物に気づいても毎回届けてあげることがいいとは限りません。お子さまが「届けてもらえばいいや」と考えるようになってしまうと、自立の妨げになります。
また、忘れ物をしたことでお子さま自身が困った経験をすれば「準備をきちんとしよう」という意識が芽生えるでしょうし、クラスメイトに借りるなどして自分でなんとかする術も身につけられるでしょう。

【状況5】きょうだいやお子さまどうしのけんか

きょうだいやお友だちとけんかになったとき、すぐに「ダメでしょ!」「ほら、謝って!」などと間に入っていませんか?
けんかを見ているのは辛いかもしれませんが、ケガにつながる行動や必要以上に相手を傷つける言動でない限り、すぐに介入せず見守ることも大切です。
子どもはけんかを通じて、他人とのコミュニケーションや手加減、感情をコントロールする方法など、さまざまなことを学びます。きょうだいげんかやお子さまどうしのけんかは、自立心が成長するチャンスなのです。
ただし、お子さまが助けを求めてきたりケガにつながる行動をとったりしたときは間に入り、話を聞いてあげる、きちんと叱るなどの対応をとりましょう。

甘やかすのではなく手助けをすることで、自立を促そう

このように、日常のさまざまな場面にお子さまの自立を促すチャンスがあります。心に留めていただきたいのは、お子さまからの「まだ難しいから手伝ってほしい」というサインにはきちんと応えてあげるということです。

例えば着替えがうまくできなかったとき、片付けが進まないとき、「やって~」「できないよ~」とお子さまが助けを求めてきたら、手助けをしてあげましょう。手助けをしたうえで、「今度はひとりでやってみようね」と伝えることで、徐々に自立を促すことができます。

なんでもかんでもやってあげること、お子さまがひとりでできることまでやってあげることは「甘やかし」になってしまいます。お子さまからのサインがただ「甘えたい、ママにしてほしい」というものなのか、「分からないから教えてほしい」というものなのか、しっかりと見極めたうえで、できないことはきちんと手伝って教えてあげることが大切です。
そして、ひとりでできたときには「すごいね!」と思いきりほめてあげましょう。少しずつ自分でできることが増えていき、そこに自信が付いていけば、さらに自立心を促すことができます。上手にお子さまの自立を手助けしてあげてくださいね。

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