大丈夫?!お子さまの“甘えのサイン”を見逃していませんか?

お子さまの成長にとって“甘え”が欠かせないのはご存じでしょう。しかしお子さまの性格は千差万別です。甘えるのが上手なお子さまもいれば、甘えるのが苦手なお子さまもいます。中には、お子さまは甘えたいというサインを出しているのに、それに保護者のかたが気づいていないケースも少なくありません。
そこで今回は見逃しがちなお子さまの“甘えのサイン”と、その対処法についてご紹介します。

甘えられないお子さまのサインは?

お子さまはみんな「甘えん坊」かと言うとそうでもありません。性格的に、あまり甘えることがうまくない、好きではないお子さまもいます。
しかし、そうしたお子さまも「甘えたい」気持ちは一緒。なかなか甘えられないお子さまは、がまんしていたり、ストレスをつのらせていたりする可能性もあるのです。
そこで保護者のかたがそのサインに気がついてあげることが必要となります。多くの場合、ふだんと違う様子が見られたり、他者とのコミュニケーションに変化が見られたり、といったことが“甘えのサイン”となっていることが多いようです。詳しく見てみましょう。

◆保護者を困らせるようなうそをつく

まず考えられるのは明らかにうそとわかるような話をしたり、「おなかが痛い」「学校に行きたくない」「ごはんを食べたくない」など、困らせるようなことを言ったりする場合です。
これらのうそは、かまってもらいたいために言っている場合があります。保護者のかたが仕事をしていたり、弟や妹の世話を優先していたりすると、こうしたうそをつくことがあるようです。
こうしたケースでは「うそはつかないの!」「甘えないの!」と強く言いがちですが、うそだとわかってもまずはお子さまの気持ちを認めてあげましょう。かまってあげたり、話を聞いてあげたりするだけで、コロッと気分が変わることもあるものです。

◆きょうだいや友だちとケンカが多くなった

保護者のかたに対しては特に問題がなくても、きょうだいや友だちとうまく遊べない、すぐケンカになってしまうというケースも“甘えのサイン”の場合がありあます。ストレスを感じ、自我を抑えられなくなっているのです。
こうした様子が見られたら、膝の上に乗せたり、抱きしたりといった直接的なスキンシップでお子さまの心を落ち着かせから、その理由を聞いてみましょう。ふれあい、話を聞いてくれるとわかるだけでも、お子さまは安心感を得られるでしょう。

◆口数が減った、笑顔が少ない

いつもより話をしなくなった、笑顔が少ない、と感じたときも注意しましょう。一緒に笑ったり、泣いたりする相手がおらず、心に寂しさを感じている可能性が高いからです。
テレビで面白い場面があったときによく「見て、見て」とお子さまは保護者のかたに言いますが、これは「共感したい・してほしい」というサインです。しかし保護者のかたに共感してもらえないお子さまは、次第に共感してもらおうとしなくなります。そして口数も笑顔も徐々に減っていくのです。
テレビを観ているときだけではなく、散歩のときなどに「空が青いね」「花がきれいだね」などとふたりで笑い合ったり、感じたことを話したりして、共感する場面を増やしていけば、だんだん笑顔を取り戻していくでしょう。

甘えることがなぜ必要なのか

そもそもなぜ甘えることが、お子さまの健全な成長のために必要なのでしょうか。
人は、赤ちゃんの頃からさまざまなことに興味をもち、さわったり、行動してみたりしてたくさんのことを経験し、学びます。いろいろなことにチャレンジしますが、ときには不安になることもあります。そんなときに、保護者のかたに思う存分甘えることで、安心感を得られるのです。
大人も、疲れたりストレスを感じたりしたときに、信頼できる人にグチを聞いてもらうとスッキリしてまたがんばろうという意欲がわいてくることがありますよね。お子さまも同じです。
大好きな人に抱きしめてもらったり、わがままを言ってきいてもらえたりすることで、安心感を得ているのです。その甘えが安心感となり、さらに次への意欲になります。そして自立へと導いてくれます。

甘えさせたいならまずはスキンシップ

甘えたいという意思表示ができないお子さまの場合、おすすめなのがスキンシップです。スキンシップによりオキシトシンという愛情ホルモンが分泌されます。心が穏やかになることに加えストレス緩和にも効果があると言われています。お子さまがうまく甘えることができていないと感じたら、まずはギューっと抱きしめてあげてください。
時間があれば、じっくり話を聞いてあげるのもおすすめです。その際、せかしたり無理じいをしたりすることは避けましょう。
お子さまの気持ちに寄り添えるように「話したいことがあれば聞くよ」「どうしたい?」と伝えて、お子さまが話したくなるまで待ちましょう。
幼児期にしっかり甘えることは、自己肯定感と精神的成長につながる大事な成長のためのステップです。忙しい毎日の中でも、お子さまの甘えたい気持ちを大事にしてあげたいですね。

プロフィール



「チャイルドコーチングアドバイザー」(一般財団法人日本能力開発推進協会)、「スポーツ心理士」(日本メディカルスポーツトレーナー協会)の認定資格取得、「スポーツメンタルトレーニング講座」(NHK学園)修了。現在はジュニアを対象としたスポーツメンタルトレーナーとしても活動している。自身も一人娘を育てており、日々知識と実践を積み上げている。

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