夏休みの図書館活用法 〜自由研究 図書館を活用して「困った」を解決!〜

自由研究のテーマ決めや、調べもので困った時に頼りになるのが図書館です。大田区立羽田図書館・司書の凍田伊津子さんに、自由研究のための図書館徹底活用法を伺いました。

テーマ決定のヒントも図書館にある!

夏休みは、自由研究の調べもののため、図書館も対応を強化しています。なかには、専用の質問コーナーを設けたり、自由研究コンテストを主催したりしている図書館もあります。自由研究に役立つテーマ集や図鑑などもご用意していますが、夏休み中は予約で出払ってしまうことが多いですね。テーマはやはり、早めに決定することをおすすめします。テーマさえ決まれば、どんな資料を調べるとよいか、図書館はかなり深いところまでお手伝いできると思います。

図書館には、棚に並んでいない本もいっぱい

たとえば、小学生が「トンボ」について調べたい場合。児童コーナーの「生き物」の棚の前で、気になる本を片端から手に取ってみるのも、もちろんよい方法です。しかし、図書館には棚に並びきれず、書庫に入っている本が実はたくさんあるのです。当館の場合、毎週100冊ほどの本を受け入れており、季節や貸し出し状況によって入れ替えをしています。膨大な本を収納した書庫をご案内する図書館探検ツアーは、子どもたちに人気がありますね。棚を見て、「探している本はないや」と帰ってしまう前に、ぜひ「蔵書検索」を利用していただきたいと思います。

蔵書検索の仕方……自宅のパソコンやスマホからも

蔵書検索は、館内の端末はもちろん、ご自宅のパソコンやスマートフォンから図書館のホームページにアクセスし、そこから利用することもできます。自由研究のテーマが「トンボ」であれば、「タイトル」の欄に「トンボ」を入れ、次の欄で「~を含む」を選べば、タイトルに「トンボ」を含む蔵書がずらりと表示されます。あるいは、件名の欄に「トンボ」と入れれば、トンボについて述べた本が表示されます。書庫に入っている本も、カウンターに請求すれば取り出せます。また、お近くの図書館に求める本がない場合、他地域の図書館から取り寄せることもできますので、ぜひカウンターで尋ねてみてください。

検索で絞り込めない場合は、司書に相談を

「トンボ」で蔵書検索をしてみたけれど、あまりにも多くの資料が出てきてしまい、どれを見てよいかわからないといった場合は、ぜひ司書にご相談ください。知りたいのはトンボの捕り方か、トンボの種類や生活の仕方についてか……とご本人に確認しながら、条件を絞り込んでいくことができます。お子さんにとって、いきなり司書に声をかけるのが難しそうなら、一度保護者のかたと一緒に相談にきていただくとよいかもしれません。

今の子どもたちはスマートフォンなどを使い慣れているせいか、検索のコツを覚えるのが本当に早いです。館内で一生懸命端末をいじっている子どもをよく見かけますね。

テーマを絞り込むと、広がりと深みが生まれる

自由研究をよいものにするには、テーマをはっきりさせることが大切です。たとえば「この町の歴史を調べる」という宿題であれば、貝塚について、江戸時代の宿場町について、羽田空港の成り立ちなど、時代や場所や中心人物を絞り込んだほうが内容に深みや広がりが生まれます。調べていくうちに疑問が生まれて、さらに深く知りたくなる……そうなれば素晴らしいと思います。

<おすすめの本> 中学生

『バッテリー』

作:あさのあつこ
主人公は中学1年生の巧と豪。スポーツもの・児童文学といった枠を超えて大人にもファンの多い名作です。特に男の子におすすめですね。

プロフィール


凍田伊津子

東京都大田区立羽田図書館副館長。「はねだ寄席」や「羽田歴史講座」など、地域と連携したイベントを多数企画、実施中。

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