思いやりと優しさのある子どもに育てるためには? 家庭の教育でできること

「思いやり」とは、他者の視点に立って気持ちを考えられることを指し、発達段階的には4歳をすぎたころから少しずつわかってくると言われています。
思いやりは、もともと持ち合わせている性格だけではなく、日々の生活の中でも育むことができるものです。とは言え、教育さえすれば必ず身に付くものでもありません。そこで、思いやりの心を育てるために、どのようにお子さまと接すればよいのか、ポイントをご紹介しましょう。

「思いやり」の原点とは?

「思いやり」とは、相手の気持ちを推測すること、くみ取ることを含んでいます。
例えば、他人の言動などに共感して、損得なく相手を助けてあげる行動もそのひとつ。そのような行動ができるようになるための原点は、保護者への絶対的な信頼感だと言われています。
それは日常的に受ける愛情や、自分を囲む全ての人から感じる愛情から生まれるものであったり、自分の気持ちに共感してもらったりした経験なども必要となります。あの時は尊重してもらったから、今度は自分が返そうという気持ちに自然となるような経験が必要になってくるでしょう。

どうすれば思いやりの気持ちを育めるの?

お子さまの思いやりの気持ちを育むために、保護者として何ができるか気になるところでしょう。そこで、思いやりの気持ちを育てるためのポイントをいくつかご紹介します。

◆親子の絆を深める
お子さまの心が育つためには、親子の絆が、いかに深まっているかということが重要です。一緒にたくさん遊んだり、ご飯を食べたり、今日あった出来事をお互いに話したりすることも、お子さまの心に響くできごとのひとつになります。

◆まずは保護者がお手本になる
お子さまに思いやりのある子になってほしいと願うのであれば、まずは保護者がお手本になる行動をすることが近道となります。例えば、乗り物で高齢の方に席を譲ったり、重たい荷物を持つ手伝いをしたりする、保護者の何気ない様子を、お子さまはよく見ているのです。
見ず知らずの人に対しても親切にすることが、人間関係の中では必要なのだと、次第に学んでいけることでしょう。お子さまもお手伝いできる状況の時は、一緒にお手伝いしてみてもいいかもしれません。

◆前向きな口調を意識する
お子さまと会話する時には、普段から命令口調ではなく、「○○しようね」と前向きな表現にすることを心がけましょう。保護者が、関わる人に対して親切に対応することで、お子さまも真似しながら覚えていきます。相手に親しみを感じてもらえる口調で、お子さまにも話しかけてあげてください。

◆きちんと言葉で伝える
もし、お子さまがお手伝いをしてくれた時には、「ありがとう」「○○ちゃん・○○くんのおかげで助かったよ」などと、感謝の気持ちを伝えてあげましょう。手伝ってもらった結果、どう思ったのかを伝えることで、自分ではない相手がどんな気持ちになるのかを想像できるようになっていきます。人間が抱く感情を、少しずつ覚えて いってくれるでしょう。

すぐできる!思いやりが育つ方法とは?

では、どのようにしたら、思いやりを育てることができるのでしょうか。思いやりを育てるために、今から実践できることもあります。

◆植物などのお世話をお願いする
お花にお水をあげたり、ペットなどの生き物のお世話をしたりすることが、思いやりを育てるために役立ちます。お花もペットも人間ではなく、会話をすることはできません。
しかし、言葉が通じなくても誰かを必要としていることを、次第に想像、理解できていきます。命を大切に育て、お世話をすることで思いやりの心を育んでいけるのです。

◆読み聞かせ
絵本の読み聞かせをするのも、思いやりを育むためにはいいことです。お子さまは物語を聞きながら、主人公と同じ気持ちになることで、喜びや悲しみなど、さまざまな気持ちを感じるようになります。
また、ただ、上手に読むのではなく、物語に登場する人物などの気持ちを親子で話し合ってみることも大切なポイントになるでしょう。この子はこう思ったのかな?と、想像する力がついていきます。

◆褒める
お子さまが誰かに優しくしたり、思いやりの心から行動したりした場面を見たら、たくさん褒めてあげましょう。「この行動はいいことなのだな」と理解し、繰り返すことができるようになります。また、ほかのお子さまが親切にしている様子を一緒に目にした場合は、「あの子、あそこがよかったね」と話し合うことも、思いやりを育むことに役立ちます。

おもいやりのある接し方を

自分が経験したことがない気持ちを想像するのは、難しいことです。だからこそ、お子さま自身が自分の気持ちに共感・尊重してもらった経験や、自分は大事な存在なのだと実感することが、人を思いやる心につながるのではないでしょうか。
お子さまの一番身近な大人である保護者が、思いやりのある接し方をするよう心がけながら、親子で一緒に優しい心を育んでいきましょう。

プロフィール



保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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