子どもに弊害も!「子離れできない親」になる親の特徴と、今から出来る対処法

「愛するわが子とずっと一緒に暮らしたい」と願う保護者のかたは少なくないでしょう。しかし、子どもを必要以上に束縛し、子どもが成人しても家を出ることを許さない、子どもが結婚しても干渉しすぎる……そのような「子離れできない親」が子どもを苦しめていることをご存知でしょうか。
今回は、将来「子離れできない親」になる保護者の特徴と、子離れできないことによって子どもに降りかかる弊害、子離れできる親になるための対処法を解説します。

この記事のポイント

将来「子離れできない親」になる親の特徴

子どもへの接し方は、子どもの発達段階に応じて変化していくべきものです。子育ては、子どもが自立して人生を切り拓いていくことができるよう、サポートをしていくもの。いつまでも母親や父親が甲斐甲斐しく世話を焼いていては、自立を促すことはできません。

「子離れ」という言葉に寂しさや抵抗感を覚えることもあるかもしれませんが、子どもの成長のためには絶対に必要なプロセス。「子離れ」を「子どもの主体性を尊重し、親の干渉をやめることで自立を促し、子どもを成長させるもの」と前向きに捉えましょう。愛情のつもりが過干渉になっていないか自分を客観的に振り返る意識も大切です。

「子離れできない親」の3つの特徴

将来「子離れできない親」になる親の主な特徴としては、以下の3つが挙げられます。

1.子どもは1人では何もできないと考えている

幼い子どもは1人ではできないことが多いため、保護者が何かと手伝ってあげなければならないものですが、ある程度成長した子どもは大人のようにさまざまなことができるようになります。しかし、「子離れできない親」になる可能性が高い保護者は、子どもはいつまでも1人では何もできないと考え、子どもが何歳になっても甲斐甲斐しく世話を焼いてしまいます。

2.子どものすべてを把握していないと不安になる

ある程度成長した子どもは、保護者に対して隠し事をするようになるものです。しかし、「子離れできない親」になる可能性が高い親は、子どものすべてを把握していないと不安になってしまうため、子どものプライベートを尊重できず、子どもの予定を根掘り葉掘り聞いたり、子どもの持ち物をあさったりしてしまいます。

3.子どもに自分の人生のすべてをかけている

「子どもが幸せになれるよう、自分ができることは存分にしてあげたい」と思うのは、親心というものでしょう。しかし、自分の時間や趣味を一切持たず、子どもに自分の人生のすべてをかけている保護者は、「子離れできない親」になってしまう可能性があります。

「子離れできない親」予備軍になっていないかチェックを

子どもを大切に感じる気持ちが強いからこそ、つい心配になって干渉してしまいがちになるものです。良かれと思ってやっている行動だからこそ、客観的に把握しづらいということもあるでしょう。そこで「子離れできない親」予備軍になっていないかのチェック項目を紹介します。下記の行動をよくしてしまっているのであれば、黄色信号。子どもへの関わり方を見直す機会としましょう。

・子どものやることに先回りしてしまう
・学校の準備や課題制作など子どもの代わりにやってしまうことが多い
・子どもが失敗してしまわないか心配で落ち着かない
・子どものスケジュールや友達関係を全て把握している
・子どもが誰と遊ぶかを親が選んでしまう
・母親の場合、娘を自分の分身のようにとらえている
・子どもに1日にあったことを細かく聞き出してしまう
・子どもに頼まれていないのに忘れ物を学校に届けてしまうことがよくある
・自分が子どものころにしたかった習い事などを子どもにさせている

子離れできないことによって子どもに降りかかる弊害

子離れできない保護者が子どもに与えるデメリットは想像以上に大きいものです。また、子どもの年齢によって、悪影響の出方も様々です。「心配だから」と子離れしないことは、保護者にとっては安心材料となるかもしれませんが、子どもには大きな弊害となることを意識しておきましょう。子どもの気になる点の原因は、保護者自身の言動に課題があったということも往々にしてあるものです。

子離れできない保護者による子どもへの4つの弊害

保護者が子離れできないと、以下のような4つの弊害が子どもに降りかかります。

1.自立できなくなる

保護者が子どもをいつまでも子ども扱いして世話を焼いていると、子どもは自分でするべきことも自分でできなくなり、自立できなくなってしまいます。

2.主体性がなくなる

子ども自身が決めるべきことにも親がいちいち口出ししていると、子どもは主体性を失い、保護者の意見ばかり気にするようになってしまいます。

3.失敗に弱くなり、挫折しやすくなる

保護者が子離れをせず、子どもが失敗を経験しないように守り育てていると、子どもは失敗に弱くなり、挫折しやすくなってしまいます。

4. 成長の機会を奪われてしまう

子どもにとって一番の成長の機会は、失敗から学ぶことです。なぜ失敗したのか、どうすれば良かったのか、次からはどうするべきかを実体験をもとに振り返ることで、大きな学びを得ることができます。それなのに「失敗をしないように」と保護者が先回りをしすぎてしまっては、成長の機会を逃してしまいます。失敗は避けるべきものと考えるのではなく、成長のための機会ととらえ、失敗を許容する意識を持ちましょう。

子どもの年齢別!子離れできない親の子どもへの影響

子離れできない親が必要以上の干渉をすることで、子どもの発達段階に応じた成長も阻害されてしまいます。小学生、中学生、高校生別に子どもへの影響と、それを脱するための処方箋をご紹介します。

小学生

小学校では、宿題や課題を通してスケジューリングや計画の立て方、計画通りに進める力などを養っていきます。ところが、「ママに貸してごらん」と子離れできない親が子どもの代わりに計画を立てたり、効率の良いやり方を考えてしまっては、子どもはいつまでたっても計画力や実行力が身につきません。

保護者は、子どもの代わりに計画を立てるのではなく、やり方や方法のヒントを与えるという心がけを持つようにしましょう。

中学生

中学生では、友達との喧嘩や異性との関係など人間関係でもトラブルが生じがちです。しかし、それはコミュニケーション力を磨くチャンスでもあります。自分の意見や言動の理由を整理して伝えたり、相手の言い分を聞いたりして解決を目指していくことで多くの人と適切に関わっていくコミュニケーション力や問題解決力が養われます。それなのに、保護者が「こうしたら?」と口を出しすぎてしまっては、自分たちの力でトラブルを解決する機会を逃してしまいます。

保護者は、子どもの力を信じて見守る勇気を持つことを心がけましょう。そのうえで、子どもが相談を持ちかけてきたら、すぐに解決策をアドバイスするのでなく、まずはしっかり話を聞き共感を示すこと。それだけで子どもは安心感を覚え、次の一歩を踏み出す勇気と知恵が持てるはずです。

高校生

子離れできない保護者が子どもの進路にあれこれと口を出すことで、子どもが進路選択で迷ったり、本人が納得しない進路を選んでしまったりする弊害が出やすくなります。親子であれ、子どもと自分は他人。子どもが自分で決めた進路を応援するというスタンスを貫くようにしましょう。子どもの考えに違和感を覚えたとしても、「理由がわからない」「おかしい」と頭ごなしに否定するのではなく、「こういう点はどうしようか?」など考えを深めさせる声かけをしていくと、個人対個人の建設的な話し合いができるようになります。

子離れできる親になるための対処法

子離れできる親になるための対処法としては、以下の5つが挙げられます。

1.子どもの力を信じる

子どもが転んでしまいそうになると、すぐに手を差し伸べたくなるでしょう。しかし、子離れできる親になるためには、その手を引っ込める勇気、すなわち、子どもが自分で手をつく力、転んでも立ちあがる力を信じる勇気を持つ必要があります。

2.年齢に応じて子どもの自立をうながすはたらきかけをする

「子離れできない親」は、子どもをいつまでも赤ちゃんのように扱いがちです。子離れしたいと考えるのであれば、子どもの年齢に応じて子どもの自立をうながすはたらきかけをするように心がけましょう。

3.子どもの意見を尊重する

子どもの意見は荒唐無稽に感じられることが少なくありません。しかし、だからといって保護者の考えを押し付けていては、子どもの主体性を奪ってしまいます。子どもの意見はできるだけ尊重し、頭ごなしに否定しないように注意してください。

4.子どもは自分とは違う人間だと理解する

「子離れできない親」の多くは、子どもを自分と同一視し、子どもを意のままにコントロールしようとしてしまう傾向があります。子離れしたいと考えるのであれば、子どもは自分とは違う1人の人間だと理解し、子どもと適度な距離を保つように心がけましょう。

5.子育て以外の生きがいを見つける

子育て以外の生きがいを持っていないと、子育てに対して必要以上に情熱を傾けてしまい、子離れが難しくなってしまいます。子育て以外の生きがいを見つけ、自分にとっての楽しみを追求する時間も大切するようにしてください。

子どもの年齢別!子離れできる親になるヒント

子離れできる親には、急になれるものではありません。子どもの年齢別に子離れへのファーストステップをご紹介します。子どもとの適切な距離を徐々に取り、前向きな子離れに繋げていきましょう。

小学生

小学校中学年以降になったら、手出し口出しを徐々に減らしていきましょう。まずは、学校の準備や勉強の計画を子ども自身で取り組ませてみるとよいでしょう。「図工があるから絵の具がいるんじゃないの?」「あさって算数のテストだから、算数から勉強したら?」などつい横から口を挟みたくなるものですが、ぐっと我慢。子ども1人で最後まで取り組ませたうえで、フォローしてあげることで、お子さまは失敗から学び、自立的な行動力が育まれます。

また、小学校高学年くらいからは、友人同士の関係性も急速に深まることから、子どもも「親に秘密にしたいこと」が増えてきます。幼児期のように「なんでも子どものことを把握できている状態」ではなくなり、焦ることもあるかもしれませんが、詮索はNG。詮索すればするほど、もっと隠し事をするようになり悪循環となります。秘密ができることも、成長プロセスの過程と歓迎するくらいの心持ちでいるといいでしょう。

中学生

反抗期も本格化する中学生。勉強や人間関係の複雑化に加え、声変わりや生理など体の変化も大きくなるため、悩みも多く生まれるもの。気持ちの浮き沈みも激しく、メンタル面も繊細になりがちです。子ども自身が様々な葛藤と戦っている時期となるため、無理に口出ししたり、「何があったの?」などと詮索することは禁物。保護者にできることはアドバイスではなく、子どもが安らげる環境作りだと心がけましょう。子どもがぼーっとしていたり、無気力に見えるときも「子ども自身も内面では葛藤に苦しんでいる」と捉えれば、見守る心の余裕も生まれるでしょう。

高校生

行動範囲の広がる高校生。保護者も全ての行動が把握できるわけではないからこそ「寄り道せず帰ってきて」「スマホはNG」「男女で出かけるのはダメ」と禁止事項を設けがち。高校生の範囲を逸脱したことは毅然とした態度でNOを突きつけるべきですが、そうでないことまで過剰に心配しているのであれば、子離れができず執着している証拠。子どもにマインドシェアを割きすぎていると考えられるため、趣味や夢中になれるものを見つけていきましょう。テレビドラマを見る、読書をする、友人とランチをするといった小さなことでもOK。子育て以外の時間を作ることで、適切な距離感が生まれてくるはずです。

子離れの時期はいつ?

子離れは、子どもの自立心の成長にそって段階的に行っていきましょう。次の3つの時期を意識して、進めていくのがおすすめです。

小学校中学年頃から子離れ準備を

女の子は小学3年生ぐらいから、男の子は5年生ぐらいから自立心が芽生え始めると言われています。自立心が芽生え始めると、保護者の言うことに口答えをしたり、「なんでそうしなきゃいけないの?」と疑問を投げかけることなどもあるでしょう。また、保護者より友達を優先させることも増えるものです。これまでの柔順な態度と異なり、驚くこともあるかもしれませんが、「自立心が生まれてきたんだな」と捉え、子どもの自主性を尊重していくようにしましょう。保護者が先回りせず、子どもに任せてみるのが子離れ準備の第一歩です。

思春期・反抗期に入ったら子離れスタート

思春期、反抗期は、子どもが大人へと変化していく時期。子どもを子ども扱いせず、一人の個人として接していくよう本格的な子離れをスタートさせていきましょう。体の変化や、人間関係の複雑化など多くの悩みが絡み合い、反抗的な態度や無気力な態度が目に付くことも多くなる時期。つい口うるさくしてしまいそうになりますが、「きた!反抗期到来!」「自立のプロセスを歩んでいるのね」とゆったり捉えられるような心の余裕を持ちましょう。

高校卒業までに子離れの仕上げを

高校時代は、子離れの仕上げ期。進路を決め、葛藤しながら将来の夢を描く子どもを信じて、1番のサポーターであることを心がけましょう。子どもが求めているのは、口出しやアドバイスではなく応援。保護者が「信じてるよ」「きっとできるよ」と伝えることは、子どもにとって何よりの安心材料となるはずです。

まとめ & 実践 TIPS

子どもは1人では何もできないと考えていたり、子どものすべてを把握していないと不安になったり、子どもに自分の人生のすべてをかけていたりする保護者は、「子離れできない親」になってしまう可能性が高いです。「子離れできない親」は、子どもの自立を妨げ、自主性を奪い、子どもを失敗に弱く、挫折しやすい人にしてしまいます。今回紹介した子離れできる親になる対処法を実践し、子どもの自立を心から応援できる親になりましょう。

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