コミュニケーション力は家庭で伸ばせる。どう伸ばす?ボーク重子さんに聞く!これからの子どもを幸せにする「非認知能力」の育み方~Lesson5 コミュニケーション力

ライフコーチのボーク重子さんに、「子どもを幸せにする《非認知能力》の育み方」について、連載でお伺いしています。
第5回の今回は、自分の思いを正確に伝え、相手の思いを正確に受け取るために必要な「コミュニケーション力」についてです。

この記事のポイント

【保護者のかたのお悩み】
Q.子どもが自分の気持ちを相手に言葉で伝えるのが苦手で、また相手の話もよく聞かないので、すぐ友達とケンカになってしまいます。どうすればコミュニケーション力が付きますか?

コミュニケーションが苦手な4つの理由

ボークさん:それはもしかしたら、コミュニケーションに「慣れていない」のかもしれません。よく「あれができない」、「これが苦手」という話が出てきますが、それは次の4つのことが原因だと考えられます。

1 やったことがない
2 知らない
3 教えてもらったことがない
4 慣れていない

コミュニケーションには「慣れ」も必要
家庭の中でトレーニングしましょう

「言葉で伝えるのが苦手」という場合も、これと同じで、「伝え方を知らない」、「伝えることに慣れていない」だけかもしれません。
これは家庭の中で、親子の会話の中でトレーニングができます。
たとえば我が家では、家族3人、毎晩夕飯の時間に、30分間を「今日の出来事」を伝え合う時間にしていました。伝わるように相手に話すには、「いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どのように」といった5W1Hが盛り込まれていることが望ましいですから、私であれば、「今日の献立は、にんじんが余っていたから、食品ロスを避けるためにカレーにしたのよ」といった感じで、伝えることに「慣れる」練習をしていました。
家でたくさんロールプレイができれば、お子さんも自然と言葉で伝える技術が身に付いていき、友達にもうまく伝えられるようになると思います。

また、「ケンカになる」ということ自体は悪いことではないでしょう。ケンカから社会的ルールを学ぶこともありますし、ケンカにもルールがある(心や体を傷つけてはいけないなど)ことを教えるきっかけにもなります。

コミュニケーション力を高めるには
言語と非言語、両方伸ばすことが大事

「メラビアンの法則」というものがあり、人と人とがコミュニケーションをとる時、言葉の部分は7%で、あとの93%は視覚や聴覚など、言葉以外の非言語のもので感じていると言われています。つまり、言語の部分だけでなく、非言語部分のコミュニケーション能力が大事になってくるのです。
もちろん、正確に相手に伝えるためには、語彙(ごい)が必要ですし、相手に伝わりやすく説明するためには、論理的な話し方をする必要もあるでしょう。これは言語の部分です。
そして、もうひとつ大切なのが、相手の立場に立って相手の言っていることを理解しようとする「共感力」や、言うべきことと、相手が傷ついてしまうから言わないでおいたほうがいいと判断する「社会性」です。こういった非言語である「非認知能力」が、コミュニケーション力を高める鍵になります。

疑似体験の「経験値」を増やすことで
言語(認知)・非言語(非認知)の両方が高まる

コミュニケーション力を高めるには、先ほどの「言語部分」と「非言語部分」の両方を育んでいく必要があります。
言語部分は「認知能力」です。まず正確に伝えるためには、語彙を増やす必要があります。たとえば我が家では、「辞書」をいつも手元に置いていました。私は特に英語の語彙が少なかったので、意味がわからない言葉に出合う度に、辞書を引いて調べるようにしていました。娘にとってもこの環境はよかったと思います。(編注:ボークさんは米国在住)

あとは読書です。読書は言語(認知能力)だけでなく、親子で同じ本を読むことで、対話を増やすことができます。
読んだ内容を一緒に話し合うことで、子どもの今の考えを知ることもできますし、非言語(非認知能力)の「共感力」を高めるための「疑似体験」を増やすこともできます。我が家では、読書以外にもドキュメンタリー番組をよく家で見ていました。戦争や貧困など、想像がつきにくいことへの「共感力」を高める疑似体験として、これらが役立ったと思います。
私は娘に、意識的に「この子たちはどんな気持ちだったかな?」「あなただったらどんなふうに感じる?」といったことを聞くようにしていました。相手の立場に立って、思いやる機会にもなり「社会性」を伸ばすことにつながりますし、子どもはこういった質問をたくさん受けることで、大きくなってからも自問するクセがつき、「考える力」を伸ばすことにもつながります。

コミュニケーションで最も大事なことは
信頼関係を築くこと

コミュニケーション力では、「話す」ことよりも、実は「聞く」ことのほうがより大事だと思います。対話はキャッチボールですから、相手の言ったことに対して、自分はどういう反応をするか。
これにはテクニックがあります。コーチング用語で「ペーシング」と言うのですが、「相手に調子を合わせる」ことです。相手が悲しそうな時には、こちらも悲しい気持ちで聞き、相手がゆっくり話している時は、こちらもゆっくり話すなど。
相手の立場に立ってペースを合わせることで、「共感力」が高まりますし、相手も「わかってもらえている」と感じ、安心します。

コミュニケーションで、最も大事なことは相互の「信頼関係を築く」ことなのです。

まとめ & 実践 TIPS

コミュニケーション力を高めるには、「言語」、「非言語」両方を育む必要があるとわかりました。また、言葉で相手に伝える技術は家庭の中でトレーニングができ、相手の言葉をしっかり受け止めるには、「ペーシング」という方法も。まずはおうちのかたから試してみてはいかがでしょうか。

非認知能力について、もっと詳しく読みたいかたはこちら
子どもを幸せにする非認知能力の育み方

プロフィール

ボーク重子

ボーク重子

ICF会員ライフコーチ。Shigeko Bork BYBS Coaching LLC代表。米ワシントンDC在住。30歳の誕生日を前に渡英、ロンドンにある美術系大学院サザビーズ・インスティテュート・オブ・アートに入学。現代美術史の修士号を取得後、フランス語の勉強で訪れた南仏の語学学校で、米国人である現在の夫と出会う。1998年渡米し、出産。子育てと並行して自身のキャリアを積み上げ、2004年にアジア現代アート専門ギャラリーをオープン。2006年、ワシントニアン誌上でオバマ元大統領(当時は上院議員)とともに、「ワシントンの美しい25人」の一人として紹介される。一人娘であるスカイは2017年「全米最優秀女子高生」コンクールで優勝し、多くのメディアで取り上げられた。現在は、全米・日本各地で《非認知能力を育む子育て》《新しい時代のキャリア構築》についてコーチングと講演会を開催している。著書に『世界最高の子育て』(ダイヤモンド社)、『「非認知能力」の育て方』(小学館)など shigekobork.com 東京FMラジオ局のAuDee (Iphoneアプリ)、マイスタジオにて「ピンクdeワオ:自己肯定感コーチング」毎週月曜日から金曜日朝6時配信中。

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