幼児期に「塗り絵」をさせる効果「できた!」の達成感が自身を育む
子どもは、アニメのキャラクターなどの塗り絵で遊ぶのを好みますよね。塗り絵を通して、子どものどのような力が育つのでしょうか。
運筆能力や集中力……塗り絵を通して育つ、さまざまな力
大人の塗り絵は、趣味としての楽しみのほか、ストレス解消や脳の活性化などを目的として始める人が多いようです。確かに線に沿って、はみ出さないように塗ることに没頭していると、雑事を忘れて気分転換できたり、手先を細かく動かすことで脳の働きがよくなったりしそうな気がしますよね。
子どもが遊ぶ際にも、少なからず、こうした効果は期待できるかもしれません。さらに、次のようなよい影響も考えられます。
◎運筆能力がアップする
塗り絵は手先を動かすトレーニングとなります。最初は色鉛筆やクレヨンを持つ手はぎこちないですが、次第にしっかりと持ち、線からはみ出さないように塗れるようになります。このようにして、筆づかい、いわゆる運筆能力がアップし、やがてお絵描きや文字を書く力につながると考えられます。
◎集中力がアップする
線からはみ出さないように塗るためには、結構集中力を要します。塗り絵に没頭することで、集中力の向上が期待できます。
◎色の使い分けができるようになる
最初は、1色で塗りたくるだけという子どもが多いですが、次第に複数の色を使い分けられるようになっていきます。塗り絵を通して色の名前や違いを覚えていくのです。
◎自信が高まる
塗り絵に限ったことではありませんが、「できた!」という達成感は子どもの自信を育みます。塗り絵を通して育った自信は、やがてお絵描きなどもがんばろうという気持ちにつながっていくでしょう。
塗り絵をするときはこんなサポートを!
塗り絵を通じて子どもが成長しやすいように、次のようなサポートを心がけましょう。
◎線からはみ出しても細かく指摘しない
線からぐちゃぐちゃにはみ出していると、保護者はがっかりするかもしれませんが、小さな子どもにとって色を塗る作業は難しいものです。教えたからといって技術的にすぐに上達するわけではありませんから、あまり細かく指摘せずに自由に遊ばせるようにしましょう。
◎たくさんほめよう
大人から見て上手に塗れていなくても、「よくできたね」「前よりも上手になったよ」などとほめると、「もっとやりたい!」という気持ちになります。ほめられることを支えにして子どもなりに工夫をするうちに、次第に上達していくものです。
◎一緒に塗り絵を楽しもう
ときには、保護者のかたも一緒に塗り絵を楽しみましょう。「こうやって塗りなさい」などと教える必要はありません。自由に塗っていいわけではなく、「答え」がある遊びなのだと子どもが感じたら、塗り絵のおもしろさは半減してしまうでしょう。何も言わなくても、保護者の作品を見て、「上手だな。自分もこうしてみよう」などと、子どもなりに感じ取ってくれるはずです。