なぜ「魔の2歳児」と言われるの? いつ始まっていつ終わる?
多くの人が口にする「魔の2歳児」という反抗期。でも、「反抗期」なんて大人たちが勝手に定義したもので、それぞれ個人差があって当然では…? と考えるかたもいるでしょう。しかし、なんと「魔の2歳児」については“terrible two”という英単語も存在します。どうやら2歳児の大変さを痛感しているのは、日本の大人だけではないようです。魔の2歳児とは?
自分の意志はしっかりしているけれど、うまく表現できない2歳児
魔の2歳児のはじまりは、2歳のお誕生日前後です。まだまだ赤ちゃんのように見えても、この頃の子どもはさまざまな強い意志をもつようになっています。自分はこうしたい。ああしたい。大人がやるそのままのことを自分もできると思っていますし、好き嫌いもはっきりしてきます。その一方で、言葉はまだ完成されていません。「思った通りに伝えられない」「わかってほしいのにわかってもらえない」というイライラもたくさん抱えることになります。
その結果、大声を出したり暴れたり、大人が望むようには動かなくなってしまうこともあります。しかし、それは決して子どもの「わがまま」ではありません。子どもが意欲をもって生活し、周囲の人間としっかりとしたコミュニケーションをとろうとしているのだと考えるべきです。押さえつけず、子どもの意志を汲み取るようにして対応していきましょう。
なお、魔の2歳児の終わりには大きな個人差があり、3歳になる頃には落ち着く場合と、そのまま「悪魔の3歳児」に突入する場合などさまざまです。4歳になる頃には多くの子どもが落ち着いてきます。
どう乗り越える? 2歳児の反抗期
親としても、この時期はちょっとした覚悟が必要です。うまく受け流すことも必要ですが、「わが子はいま真剣な議論を望んでいる」と、子ども・大人関係なく、一人の人間として考えるようにしましょう。そのほうがお互いの関係も成長します。適当にごまかすことが通用しなくなる年齢なのです。
1.まずは子どもの言い分をしっかり聞く
保護者が言葉で勝てるのは当然のこと。勝ち負けにならないよう、まずは子どもがどう思っているのかをしっかり説明させ、聞きましょう。保護者の言い分は後回しです。なお、言葉で表現できないものもたくさんありますから、表情や視線の先にもしっかり注目してください。
2.落ち着かせるためにボディータッチを
気持ちが高ぶってうまくお話しできなくなってしまうこともあります。そんなときにはボディータッチが有効です。だっこしたり、背中をとんとんしたりして、まずは子どもが「我に返る」ようなことをしてみましょう。興奮状態でたくさんの言葉を浴びせても、ちっとも頭に入りません。
3.問題をすり替えない
問題のすり替えとは、大人が言ってしまいがちな「~を買ってあげるから」「あとで~してあげるから」といった今の話に関係のない交換条件をもち出すことです。どうしても必要なときもありますが、できるだけ避けましょう。次に同じことがあったときに今回のことが参考になるよう、予習になるよう、お互いに向き合い、しっかり話をまとめることが肝心です。
4.保護者自身も冷静になる方法を考える
魔の2歳児に対応するには、保護者がまずイライラしない、すぐに怒らないということも重要です。しかし、保護者とはいえ人間。やりたい放題の子どもに対し我慢ばかりはつらいこともあります。そんなときには「パパともお話ししてみようか」と話し相手をパパにタッチしたり、子どもを少しの間そのままにしておくのも、別に悪いことではありません。冷静に話すための手段です。
反抗期は成長過程のひとつです。保護者がしてあげるべきことは、子どもの感情を抑え込ませないこと、言葉や態度で感情を外に表すよう導いてあげること、そしてその内容を汲み取ることです。「うちの子だけがこんなに大変なの?育児に間違いがあったかも…」と自信を失ってしまうママやパパもいますが、そんなことはありません。だって、“terrible two”なのですから。海を越えた向こうでも、同じようにそれぞれのやり方で子どもと向き合っている保護者がたくさんいますよ。