赤ちゃんの舌に白いツブツブ…鷲口瘡(がこうそう)って何?原因と対処法
赤ちゃんにも口内炎はできます。でも、ミルクカスのような白い苔のようなものが舌や頬の内側の粘膜にたくさんできていたら要注意。それはカビが生えているのかもしれません。正確には「鷲口瘡(がこうそう)」、あるいは「カンジダ性口内炎」とも呼ばれる、口内炎の一種で、生後半年ごろまでの赤ちゃんがなりやすいもの。原因や対処法は…?
常在菌である「カンジダ」が原因
鷲口瘡、すなわちカンジダ性口内炎は「カンジダ」というカビ(酵母カビの一種)によるものです。カンジダは常在菌としてふだんから私たちの皮膚や腸内にいるものであり、通常は特に気にする必要はありません。抵抗力が低い赤ちゃんや抗生物質を長期に服用していたりする場合にはおこりやすいものです。
熱いミルクで知らぬ間に口の中をやけどしたり、時には乳首を介してカンジダをもらったりしますので、ミルクの温度や乳首をこまめに消毒したり、清潔を保つように気をつけましょう。
飲みが悪いときには、口の中の状態を観察し、ミルクカスか口内炎かを判断する
一見、ミルクや母乳のカスと間違えやすいのですが、ミルクのカスは軽くガーゼなどでふくととれます。しかし、鵞口瘡の白いカスは簡単にはとれません。ガーゼや綿棒などで強くこすったりすると粘膜が傷ついて出血したり、感染の原因になったりするので無理をしてとろうとしてはいけません。
鵞口瘡は何にも症状がないことが多いのですが、時にミルクの飲みが悪くなったり不機嫌になったりすることもあります。症状よりもむしろカンジダがはえる環境が問題で、それがほかの部位へ広がることの方が怖いので、治りにくいようであれば、いたずらに放置しないで治療した方がよいでしょう。
受診すれば治りが早いが、ほとんどは自然治癒できる
自然治癒してしまうことも多いものの、鷲口瘡は抗真菌剤(塗り薬、シロップ)、ゲンチャナ紫などを塗ることで比較的簡単に治癒させることができます。ただし、口の中を痛がったり、口内炎の量が増えたりするのでなければそのまま様子を見ても構いません。3日を過ぎても変化がないようであれば体調に問題がある可能性も考えられます。小児科を受診してみてください。
先に述べたように、カンジダはごくありふれた菌であり、神経質になる必要はありませんが、清潔を保つことで症状を押さえたり再発を予防したりすることができます。赤ちゃんの手をこまめに洗うことや、乳首や赤ちゃんグッズや口に入るおもちゃを清潔に保つなど、注意してみましょう。