「他の子はできるのに…」しんどかった幼児期を過ぎて気付いた、《手がかかる時期》の意味

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子育ては、思いも寄らないことの連続。子どもに向き合う保護者の数だけ、多彩なストーリーがあります。誰かの経験が、別の誰かの背中をそっと押すこともあるかもしれません。

今回は、手がかかった幼児期のお子さまとの時間を振り返る、すみきちさん(ペンネーム)のエピソードを、ご本人がつづったnoteからご紹介します。試行錯誤の繰り返しがあったからこそ気付いた、周りの子と比べてしまっては落ち込んでしまうしんどい時期の心がけとはーー。

※以下、ご本人承諾のうえ、投稿内容をもとにご紹介いたします。

※写真はイメージです

この記事のポイント

何をするにも手がかかる我が子

現在小学生のすみきちさんのお子さまの幼児期は、とにかく手がかかったといいます。

警戒心や不安感が強く、地域の子育てサークルでもうまくいかないことの連続。リトミックや手遊びを楽しむ他の子どもたちに決して交ざろうとはせず、すみきちさんのそばを離れようとしなかったんだとか。

「無理に離れたら周りが引くほど大泣きするので
他の子達より体が大きいのにずっと抱っこしていないといけなかったり、
親子二人だけ少し離れたところで遊んだり…
他のママさん達が集まって談笑していても、
私はその輪に入る時間も心の余裕もありませんでした」

  • (すみきちさんの投稿より *一部編集)

我が子より小さい子が先生の指示に従って上手に踊ったり、お友達と仲良く遊んだりしているのを見ては、つい「他の子はできているのに、うちの子は……」と比較して落ち込んでしまうこともあったといいます。

他の子どもがいるところでは、母親のそばを決して離れない警戒心の強さを見せる一方、二人きりになると自由奔放な振る舞いで手が付けられないことも。

「道では手を繋ぎたがらない、
こちらが強引につなごうとすれば
全身で振り払って走り出す、そしてコケる。
歩道や信号がない道もありましたから、
逃げる我が子の名前を大声で叫びながら
何度追いかけ回したことか…」

  • (すみきちさんの投稿より *一部編集)

他の子どもと一緒には過ごせない。かといって、一人の時も振り回される。八方塞がりな状況に「この子は大丈夫なんだろうか?」という焦りと「私だってママ友つくりたいのに」という孤独感は深まるばかりだったといいます。

「◯◯さんって、子育てが一番大変そうだよね」

あれこれ試行錯誤しつつも、なかなかうまくいかず、焦りや孤独感が募るばかりだったすみきちさん。そこに追い打ちをかけたのは、同じ子育てサークルのママさんからかけられた言葉でした。

「◯◯(私)さんって、この子育てサークルの中で子育てが一番大変そうだよね(笑)」

  • (すみきちさんの投稿より *一部編集)

声をかけてきたのは、よく言えば天真らんまん、悪く言えば配慮のないママさん。それまでにも、たびたびモヤッとすることや、気に障ることを言われていたため、いら立ちを覚えてしまったといいます。

「私自身も疲れ切っていたので、
『あはは〜、そうかもね〜』
とかろうじて聞き流したものの
顔は隠しきれないほどピリピリ&イライラしていたと思います」

  • (すみきちさんの投稿より *一部編集)

考えられる限りの対応をしてもうまくいかず、出口の見えないトンネルの中を一人でもがき続けていたからこそ、その一言に憤りを感じたのかもしれません。

ほめられることが増えた

※写真はイメージです

すみきちさんのお子さまの警戒心の強さは、幼稚園に入園しても変わりませんでした。毎朝の登園しぶりは、最後の一人になる秋まで継続。変わったのは、そんな我が子を受け止めるすみきちさんの気持ちでした。

「担任の先生から私のストレスを心配されましたが、子育てサークルで散々気まずい時間を過ごしていた私には、毎朝数分間の泣き時間など大したことはなく。
子どももそのうち諦めて淡々と幼稚園に通うようになりました」

  • (すみきちさんの投稿より *一部編集)

子育てサークルにいたころには覚えていた「焦り」も、気付けば動じずに「大したことはない」と受け流せるまでになっていました。

小学生になった今も、すみきちさんのお子さまは相変わらず口数が少なく、お友達との関わりも多くないといいます。でも、小さいころに見せていた警戒心の強さは、少しずつ「落ち着き」や「優しさ」に変わってきている模様。先生からもほめられることが多いんだとか。

「集団生活で子供同士の色んなトラブルがあるなか
親も感心するほど上手くそれらをすり抜け、
気づけば周りの子達からも
『落ち着いた優しい子』という評価をいただいて
それなりに居心地良く過ごしている模様」

  • (すみきちさんの投稿より *一部編集)

警戒心が強かったからこそ、周りをよく見渡す目が養われたのかもしれません。もしくは、不安感が強かったからこそ、友達の不安にもいち早く気付けるようになったのかもしれません。あんなに焦りと不安でもがき続けていたすみきちさんも「あれ、私って今、もしかしたら他の子たちの親よりもウンと楽に子育てできているかもしれない……」と思えるようになっていました。

少しずつ、でも確実に景色は変わっていく

何事にも手がかかる終わりの見えない嵐の日々を経て、凪(なぎ)の季節のような穏やかな子育てができるようになったというすみきちさん。以前の自分と同じようなことでしんどい思いをしている保護者に、エールを送りたいといいます。

「きっと先が見えなくて泣きそうになる
(実際泣いちゃう)けど
休憩しながらでいいから
やり過ごすような感じでいいから
頑張り過ぎないでいいから
そんな日々を諦めずに過ごしてほしいなと思います」

  • (すみきちさんの投稿より *一部編集)

失敗することも、手を抜いてしまうことも、きっとある。いつだって100%全力で子どもに向き合うことは容易ではありません。でも、投げ出さずにいさえすれば、少しずつ、でも確実に景色は変わっていくことを、すみきちさんのエピソードは教えてくれます。

とはいえ、長いプロセスの中で、時には終わりの見えなさに途方に暮れたり、他の子どもと比べてしまったりすることもあるでしょう。

そんな時は、少しだけ視点を変えてみてはいかがでしょうか。「終わりが見えない」と嘆くのではなく、「始めから今に至った距離」を眺めて自分で自分をいたわってみる。「他の子」と比べるのではなく、「1年前の我が子」と比べてみる。小さな変化にも気付くことで、焦る気持ちが消え、新しい景色が見えてくるかもしれません。

●ご紹介した記事
「我が子が幼児だった頃、子育てがチョットしんどかったんだ」
https://note.com/easy_shrew2935/n/n71b030674d7f

●元記事の著者プロフィール

すみきち

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