子どもの自家中毒ってどんな病気?【後編】対応法と治療法、予防法

前回に引き続き、子どもの「自家中毒(周期性嘔吐<おうと>症)」について、帝京大学医学部小児科客員教授で、帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授・学科長の児玉浩子先生に教えていただきます。



自家中毒(周期性嘔吐症)の対応法と治療法

子どもが繰り返し嘔吐するようなら、早めに小児科を受診してください。そうすれば、投薬や点滴などの処置で、早めに嘔吐がおさまる場合が多いです。重度になると、入院して、数日間点滴治療が必要になることもあります。ほかの病気の場合もありますので、周期性嘔吐症かほかの病気なのかきちんと検査してもらうことをおすすめします。
嘔吐後の飲食は、個人差がありますが、水分補給なら常温のスポーツドリンクや砂糖水のような甘い物を少しずつ与えてください。食事は、様子を見て、おかゆなどの油っこくない消化のよい物を与えてください。



周期性嘔吐症の予防法はあるの?

予防法としては、周期性嘔吐症を頻繁に繰り返す場合は、予防薬を半年~1年位服用させて発症を鎮める方法があります。また、吐く前兆がわかっている場合は、前兆が見られた時に症状を鎮静させる薬を与え、吐く直前に発症を抑える方法もあります。この病気は、同じ症状を繰り返すことが特徴の一つなので、発症した時にメモをとって、症状のパターンや前兆を把握しておくことをおすすめします。


【周期性嘔吐症メモのチェックポイント】
・いつ吐いた?(日時・季節)
・1時間に何回吐いた?
・吐く直前に何を食べた?
・吐く前に変わった症状はなかった?
 (倦怠<けんたい>感・蒼白<そうはく>・腹痛・吐き気・食欲不振・頭痛など)
・心配事や気にしていることはなかった?
・その他 (症状が落ち着いた時に与えた飲食物など)


症状を起こしやすい食べ物には、ミカンなどのかんきつ類、アイスクリームなどの冷たい物、チョコレートのような覚醒作用の含まれるもの、加工食品などで化学物質が含まれているものなどが挙げられます。個人差がありますので、与える時に注意してください。

子どもが周期性嘔吐症と診断されたら、学校の先生にも伝えて理解してもらい、前兆があれば早めに対処する、吐いた時の心のケアをするなどの対応をしてもらえると、子どもに安心感が生まれ治りも早くなると思います。また、子どもの中には保護者に腹痛などの症状を訴えると、「また食べ過ぎて!」と叱られると思い、我慢する場合もあります。子どもが素直に自分の体調の変化を伝えられるよう、普段から心配りをしてあげてください。

私がこれまで診た患者さんの中には、保護者がきちんとした知識を身に付け、病気に対する理解を示したことによって、子どもの症状が落ち着いたという患者さんもいました。保護者が過剰に不安がらず、正しい知識を身に付けて、子どもに安心感を与えることが、病気の改善への近道だと思います。


プロフィール

児玉浩子

児玉浩子

大阪大学医学部卒業。帝京大学医学部小児科客員教授、帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科教授・学科長。著書に『小児・思春期診療最新マニュアル』(共著・中山書店)などがある。

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