子どもが頻繁に腹痛やめまいを訴えていたら【対応法と予防法編】

子どもが頻繁に腹痛やめまいを訴える「腹部片頭痛」「小児良性発作性めまい」は、以前本コーナーでご紹介した「自家中毒(周期性嘔吐<おうと>症)」の仲間として、近年注目されるようになっています。前回に引き続き、ひきた小児科クリニック副院長の疋田敏之先生に、病気の対応法と予防法について教えていただきます。


子どもが頻繁に腹痛やめまいを訴えていたら【対応法と予防法編】


子どもが症状を訴えた時の対応法

子どもが強い腹痛やめまいを訴えたら、まずは暗くて静かな所で安静にさせてください。腹部片頭痛と小児良性発作性めまいは、場合によっては吐き気や嘔吐を伴うことがありますので、食事については、食べたい時に食べたいものを口にさせればよいと思います。

症状が軽い場合は、休息だけで大丈夫です。でもひどい場合は、片頭痛治療薬を与えることで効果が表れます。特に小児良性発作性めまいは、長く続くようなら、点滴や鎮静剤を使うことで効果を得られます。
子どもが同じ症状を繰り返す場合は、ほかの病気が隠れていないか一度は病院で検査をして、正しい対応・治療を行ってください。



頻繁に起こる腹痛やめまいの予防法

この病気の予防法は、まずストレスなど原因と思われるものを取り除くことです。発作の原因を見つけるためには、日頃から、いつ、どんな症状が、どんなタイミングで起きたのかなど、気が付いたことを記録しておくことをおすすめします。また、早寝早起きや運動など、基本的な体調管理も重要です。ほかにも、予防薬を使用することで、発作を減らしたりなくしたりすることができます。

予防や治療には、保護者が早く病気に気付いてあげることも大切です。たとえば、腹痛の場合なら、おなかのどの部分がどんな風に痛いのかをたずね、腹部片頭痛の特徴にあてはまらないか確認してください。めまいの場合は、子どもが言葉で表すことは難しいと思います。「目の前がぐるぐるする?」「目を開けると気持ち悪い?」などの表現で聞き出すとよいでしょう。特に小さな子どもは、自分がめまいを起こしているという状況をうまく理解できず、突然泣き出したり怖がって保護者にしがみついてきたりすることもあります。そのようなことが続く場合は、子どもが「歩行中フラフラする」「クラクラして立てない」などの症状を表していないか注意してみてください。また、発作時には眼球がピクピク横に動く(眼振)症状が出たりするので、その確認もしてみてください。

腹部片頭痛と小児良性発作性めまいは、認知度が低いため、残念ながら正しい診断ができない医師も少なくありません。正しい診断・治療を受けていないため、不安のなかで生活されているかたも多いと思います。病院に行ったのに原因がわからず、もんもんと過ごされているかたは、ぜひ一度小児神経専門医のいる病院を訪ねることをおすすめします。一日も早く、正しい診断や必要な治療を受けて、健康な生活を送ることを願います。


プロフィール


疋田敏之

帝京大学医学部卒業。帝京大学病院小児科病棟医長などを経て、2008(平成20)年よりひきた小児科クリニック副院長。現在、帝京大学医学部小児科非常勤助手も務める。小児科専門医、小児神経専門医、頭痛専門医。

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