クラス替えで新しいクラスになじめない子になんていう? 逆効果な言葉に要注意!
- 育児・子育て
子どもにとってクラス替えは一大事! 新しいクラスに大喜びの子どももいる一方で、仲良しの友達と別々のクラスになってしまったり、クラスに親しい人が少なかったりして落ち込んでしまう子どもも多いものです。
そんなとき、子どもを勇気づけるために保護者にできる声かけとはどのようなものでしょうか? よくあるNG対応と合わせてご紹介します。
新学期はクラスになじめず悩む子が多い
子どもにとって新学期は、楽しみである反面、環境の変化で戸惑うことも多いものです。特に、次のような理由から「新しいクラスになかなかなじめない……」と悩んでしまうことも多いでしょう。
・仲良しの友達とクラスが離れてしまった
・クラスに親しい人が少ない
・これまであまりかかわりのなかった先生で緊張してしまう
・クラス内で既にグループができてしまっていて入りづらい
子どもにとって、新しい人間関係を構築していかなければならないストレスは、大人以上に大きいものです。悩んでいる子どもに寄り添ってあげられるようにしたいですね。
また、クラス替え当初の4・5月は、新しいクラスよりも以前のクラスの人間関係が強くなりがちだと言われています。そのため、子どもも「前のクラスのほうがよかった」などと新しいクラスを消極的にとらえがちになるものです。お子さまから直接「クラスになじめない」との相談がなくても、普段と様子が違ったり登校を渋るような様子がないかなど注意しておきましょう。
良かれと思って……が逆効果!子どもの心を余計に傷つける3つのNG対応に注意
「新しいクラスになじめない……」と悩む子どもの様子を目にしたら、保護者としてはなんとかしてあげたいと思うものです。とはいえ、子どもを元気づけたり、勇気づけたりしようとの思いがゆえの言動が、逆効果になってしまうこともあるため注意が必要です。次の3つのNG対応に注意していきましょう。
NG1.「話しかけないとダメでしょ!」などとせき立てる
子どもになんとか解決策を示してあげたいと「話しかけなさい」「挨拶しなさい」などと、せき立てていませんか? 間違っていないアドバイスであるからこそ、子どもとしては「話しかけられない自分がダメ」と言われているように感じてしまうものです。
NG2.過敏に反応する
子どもの気持ちに寄り添おうとするあまり「嫌なクラスだね」「今日も誰も話してくれなかった?ひどいね」などと言い過ぎてしまわないように注意。子どもも被害者意識を大きくしてしまい、自ら解決していこうという気持ちが薄れてしまいます。
NG3.質問攻めにしてしまう
「クラスになじめない」という子どもが心配なあまり「友達できた?」「誰かと話せた?」とことあるごとに聞いてしまうこともよくあるものです。そうすると子どもも負担感が大きくなってしまうもの。まるで取調べを受けているような気持ちにもなってしまうため、注意しましょう。
クラスになじめない子どもが勇気づけられる!保護者にできる5つのサポート
「クラスになじめない」と悩む子どものために、保護者ができることはどんなことがあるでしょうか? 上のNG対応にあったような過度なアドバイスや、質問攻めではなく、共感やコーチングのような寄り添いが基本。次の5つのサポートを心がけていきましょう。
1 解決策を示すのではなく、気持ちに寄り添う
大人としては、ついすぐにアドバイスをしてしまいがちになるものですが、まずは共感を示すことが最重要! 「そっか、それは不安だよね」など、まずはお子さまの気持ちに寄り添うようにしましょう。
なお、共感を示す方法は難しく考えなくて大丈夫。子どもが話した言葉をおうむ返しで繰り返すだけでも、子どもは安心するものです。これはコーチングでいう傾聴と呼ばれるスキル。おうむ返しにしたり、少し別の言葉で言い換えたりすることで、子どもも自分の気持ちを整理することができます。
2 最初はなじめなくて当たり前!無理して合わせないでいいことを伝えて
子どもは、クラスになじめないことに必要以上に焦りを感じてしまうものです。でも、新しい環境は誰しも「慣れない」と感じるもの。保護者まで「早く友達つくらなきゃいけないよ」などと焦らせないようにしましょう。
お子さまには、クラス替えには、固定化した人間関係をリセットする意図もあること、そのため最初はなじめないことは当たり前であることを伝えて安心させてあげるようにしましょう。
また、子どもは、「なんとかなじまなきゃ」と周りに合わせてしまうことも往々にしてあるものです。でも、それだと後々自分のペースやキャラクターと違って苦しくなってしまうことにもなりかねません。お子さまには「自分のペースを崩しすぎないといいよ。そうすると、自然と波長の合う子や気の合う子がわかってくるはず」と伝えてあげられるとよいですね。
3 「やれるかも」と思える小さな作戦で背中を押す
子どもの気持ちに寄り添い、子どもも安心した様子が見えたら、少しずつアドバイスをしてあげるといいでしょう。繰り返しになりますが、共感を示すことのないままにアドバイスをしても「親はわかってくれない」と子どもも心を閉ざしてしまいかねないため注意が必要です。
子どもへのアドバイスは、やってみようと思える小さなことからトライさせるのがおすすめです。「朝、挨拶してみよう」「近くの席の子に話しかけてみよう」「同じアイドルが好きな子に誰が好きか聞いてみよう」など、「これならできるかも」と極限までハードルを低くしたトライを示せると、一歩を踏み出す勇気も持てるものです。
間違えても「明日は全員に話してみよう」「今週中に友達を3人作ろう」など高すぎる目標を設定してしまわないように注意しましょう。
4 新しいクラスで子どもができていることを見つけて褒める
クラスになじめない子どもは、「友達ができない」「グループに入れない」「嫌な子がいる」など「できていないこと」にばかり目を向けて落ち込みがちなものです。そのため、保護者が少し目線をかえてあげられるようにするとよいでしょう。
その際にぜひやっていただきたいのが、新しいクラスで子どもができたことを見つけて褒めてあげるということ。朝、挨拶ができた、班の子と話せた、これまで話したことのない子と話せた……など、小さなことでもOK。そうすることで、子どもも新しいクラスでのポジティブな面に目を向けられるようになり、「明日もやってみよう」と勇気づけられるはずです。
5 保護者や兄弟の体験談を伝えるのも効果的
子どもは、「クラスになじめない自分はダメなんじゃないかな?」と劣等感を抱きがちなものです。でも、新しいクラスで戸惑うのは多くの人が通る道。そのため、「あなただけじゃないよ」というメッセージを発することで、子どもも心を軽くすることができます。保護者自身や兄弟の体験談などもぜひ話してあげてみてください。
新しいクラスで試行錯誤するプロセスは、子どもを成長させる!焦らずに見守って
「新しいクラスになじめない」と悩む子どもの姿を見るのは、保護者の胸も苦しくなるもの。でも、それは子どもにとって試練であると同時に大きな成長のチャンスでもあります。「どう接すればいいか」「どうしたら人間関係を築けるか」と試行錯誤し、壁を乗り越えていくことで、子どもは社会性も協調性も大きく伸ばしていけるものです。保護者は、長い目で焦らず見守るというスタンスを大切にしましょう。
また、忘れずにいたいのは「どうしても辛いときは休んでOK」ということも伝えてあげること。逃げ道も示してあげることで、子どもも一歩踏み出す勇気が持てるものです。
そして、もし「クラスになじめない」という状態が長期化・深刻化しそうなら担任の先生などに相談してみましょう。先生方は、子どもの様子を知っておきたいと思ってくださっているものなので「こんなことで相談して迷惑にならないかな?」と気おくれする必要はありません。
まとめ & 実践 TIPS
クラス替えによる新しい人間関係の構築は、子どもにとって試練である一方で、大きな成長機会でもあります。「クラスになじめない」と悩む子どもに保護者ができることは、共感を示し安心感を与えること、そして一歩を踏み出そうと思える小さなトライで背中を押すコーチング的な姿勢です。焦りすぎることのないよう、見守り伴走していくようにしましょう。
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