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総合監修:二瓶 健次 先生
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生活・健康・安全アドバイス - 健康管理
嘔吐(おうと)を繰り返しますが、原因がわかりません。嘔吐しやすい体質なのでしょうか。
風邪がきっかけで嘔吐(おうと)が始まり、治まるまで2週間強かかりました。
下痢や発熱などはまったくありませんでしたが、また今回嘔吐がありました。今回は少し発熱があったのですが下痢はなく、胃腸の風邪ではないように思います。嘔吐しやすい体質なのでしょうか。前回は点滴までして体力の消耗が激しいので心配です。
下に赤ちゃんが生まれたので、何か精神的なものが影響しているのでしょうか。大きな病院でひと通り検査しましたが異常なしでした。
子どもは、大人に比べて吐くことが多いのが特徴です。ほかの症状などにも注意して、経過を見てください。
子どもは消化管や代謝の機能が十分でないので、大人よりも吐きやすいということがあります。体の調子がよくない場合やストレスがあっただけでも吐いたりします。
子どもで最も多いのは胃腸炎などで吐く場合ですが、この場合は風邪症状や熱、下痢を伴うことが多いのが特徴です。
学童期の子どもで比較的多いものにアセトン血性嘔吐症と言われる病態があります。
これは周期性嘔吐症とか古くは自家中毒症などとも呼ばれています。風邪を引いたり、疲労、精神的なストレスなどが引き金になって急に元気がなくなり、2〜3日吐いて、ときには数日続くことがあります。
自然に治ることもありますが、頻繁に嘔吐を繰り返すときは点滴による治療を行います。
このほかにも、空気をたくさん飲み込んでしまう(呑気症:のんきしょう)ことにより、おなかが張って空気と一緒に吐いたりすることもあります。食道と胃の部分のしまりが十分でなくて、食物が逆流して吐いたりすることもあります。
ほかにも、せきをすることによって一緒に吐いてしまうことも子どもでは多い症状です。
また、脳の圧が高くなると、脳の嘔吐中枢が刺激されて吐くことがあります。これは髄膜炎や脳炎、脳腫瘍(のうしゅよう)などで起こりますが、脳炎や髄膜炎の場合は熱やけいれんなどの症状が見られます。脳腫瘍の場合は強い頭痛や神経症状が見られますので区別はつきます。
ご質問のお子さんの場合は、嘔吐を繰り返し、点滴をするほどの嘔吐であること、点滴により治ったあとは元気にしていること、風邪症状、精神的なことが引き金になっている可能性があることなどから、年齢は小さいですが周期性嘔吐症かもしれません。
病院の検査で特に異常がないようですので、このまま経過を見られて、精神的ストレスや疲労を避け、嘔吐が始まったら早めに点滴を受けることがよいでしょう。