脳科学者・茂木健一郎氏が語る 読書で鍛えた言語能力の効果
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冬休みに、読書感想文の宿題があったという学校も少なくないだろう。読書で培われた言葉の力には、どのような効果があるのだろうか。「言語能力を鍛えると、生きるうえでとても役立つ」と話すのは、脳科学者の茂木健一郎氏。詳しくお話しいただいた。
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脳の成長には、インプット・アウトプットの両方が大事です。本を読んで心を動かされるのが「感覚性の学習」、思っていることを話したり書いたりするのが「運動性の学習」で、両方のバランスが取れた状態で発達するのが望ましい。ところが、たいていの場合、運動性の学習が遅れがちなんです。たとえば音楽好きで耳が肥えている人はたくさんいますが、高いレベルで演奏できる人は少ないですよね。音楽の場合はそれが普通です。
でも、言葉はふだんの生活の中で話したり書いたりするものなので、すべての学習の中で、運動性と感覚性のバランスがいちばん取りやすいんです。しかも、生きるうえでとても役立ちます。
言葉づかいの感覚ってとても大事ですよ。小泉元首相がなぜあんなに長く政権を保っていたかというと、彼の言葉の力によるところが大きいと思います。たとえば、力士の貴乃花が優勝したときの名セリフ「感動した!」のタイミングなんか、見事でしょう。
読書は子ども時代だけの問題ではありません。人間関係において、相手の立場や状況を考えて、その場で最適なものをアウトプットしていける。しかも自分らしさをそこに出していける能力はとても大事。それには、読書で語彙(ごい)や言語感覚を培っておく必要があります。それに、どういう文章を書けるかでその人の伸び方が違ってきます。企画書を書くにしても、プレゼン(発表)をするにしても、説得力がないと成功はおぼつきませんよね。
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