【高1】必見!「大学入学共通テスト」試作問題から考える学習法②【数学、情報、時間割編】

大学入試センターは、11月9日に、現高校1年生が受験する「令和7年度大学入学共通テスト」の試作問題等を公表しました。

大学入試センター「令和7年度試験の問題作成の方向性、試作問題等」

大学入学共通テストは、国公立大学だけでなく私立大学の入試でも利用することが多い、重要なテストです。
令和7年度からはそれまでと出題内容が変更されるため、それがどう変わる予定なのかを示したのが「試作問題」です。

公開された各教科の試作問題を見ながら、今後、どのような点に気を付けて勉強をしていったらよいのか、2回に分けて解説します。
今回は数学、情報、時間割です。

高校1年生ではまだ学習していない内容の問題が大半ですので、試作問題を「解く」必要はありません。ポイントを一緒に「見て」いきましょう。

※前回記事「国語、地理歴史・公民、英語編」はこちら

この記事のポイント

数学は「公式をあてはめる」学習だけでは不十分!

数学では、『数学I、数学A』の第2問の〔2〕を取り上げます。
「数学I」の「データの分析」という範囲からの出題です。

『数学I、数学A』試作問題

リンク先のファイルの12枚目(11ページ)を見てみましょう。
「都市周辺にある国際空港の利便性」というテーマで、「国際空港それぞれから最も近い主要ターミナル駅へ鉄道等で移動するときの『移動距離』『所要時間』『費用』を調べ」る学習場面が設定されています。

設問では、「移動距離」「所要時間」「費用」といった現実社会のことを数字で表し、箱ひげ図や散布図、「外れ値」などの統計の手法を使って分析するときに、どのように考えるかが問われています。
ここで求められているのは、グラフから読み取り、正誤の判断をし、考えをまとめるという、大学で論文を書いたり、仕事に就いてから企画書を作成したりする力と共通しています。

公式を覚え、それを当てはめて答えることだけが数学ではない、ということがわかります。また、ここまで見てきた国語、地理歴史・公民にも共通することです。求められているのは「考える力」なのです。

情報は数学の学習内容にも直結!

大学入学共通テストで令和7年度から新たな教科として設定される『情報I』。
ここでは、試作問題ではなく、まず、概要説明の書類から見てみます。

試作問題「情報」の概要

4ページの「(1)問題構成」を見てください。
出題内容で「(3)コンピュータとプログラミング」の範囲が第1問の問3、第2問のB、第3問の合計46点分になっている点に注目です。

実際にプログラミング(コーディング)について直接問われているのは第3問のみですので、「プログラミング教室に通わなければ!」と焦る必要はありませんが、「コンピュータとプログラミング」の領域を重視しようという出題の意図は伝わります。
今後の社会の中で、だれもがもっていてほしい知識やスキルという出題者からのメッセージと言えます。

また、第1問の問2、第4問に「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」という範囲が31点分あることを押さえておいてください。あとで触れます。

次に、どのような問題が出ているか見てみましょう。

『情報I』試作問題

前に触れた「(4)情報通信ネットワークとデータの活用」の範囲である第4問から見ていきます。リンク先のPDFファイルの28枚目(25ページ)を開き、最後まで、ながめてみてください。
箱ひげ図や散布図、「外れ値」などが見えます。
これらは、先に見た『数学I、数学A』の第2問の〔2〕に出ていたものと同じです。要は、勉強する内容として、数学と情報Iにはかなり共通性があるということです。
数学での学習内容が情報Iに直結しています。
数学の理論が、情報の中で実践される、というイメージです。数学の勉強をがんばれば情報にも生き、情報の勉強をがんばれば数学にも生きるという関係です。

他の問題も見てみましょう。
27枚目(24ページ)の図2にプログラミングの出題があります。
まだ授業でプログラミングを学習していない人にはわかりにくいかもしれませんが、「増やしながら繰り返す」「もし……ならば」「表示する」など、通常のプログラム言語では英字で示されるところが日本語になっています。
教科書によって扱うプログラム言語が異なりますが、異なっているところは日本語で表現されるので、気にする必要はありません。
どの言語で勉強したから有利・不利ということはないということです。
また、長く複雑なプログラムの出題ではないので、プログラミングについては基本的なことを勉強しておけばよいと言えます。

『情報I』全体の傾向としては、問題の中で与えられた材料を読み取り、考えて解答する問題が多く出題されています。
これまで見てきた他の教科同様、授業において教科書や教材で出てきたことを「覚える」ではなく「考えてできるように」という意識で勉強を進めましょう。

また、『情報I』は過去問もなく、どうやって共通テスト対策をすればよいか不安だと思いますが、この試作問題を受け、各教材会社で教材が作られていきますので過度に心配する必要はありません。

時間割では「長時間集中し続けられるか」がカギ!

今回、仮の時間割も公表されました。
現在の共通テストよりも『国語』と『数学②』の実施時間が10分ずつ伸びて、『情報』が加わるため、長時間ずっと集中し続ける必要があります。

体力・気力も大学受験で求められる重要な力です。
休日に時折、この時間割と同じような時間だけ集中して勉強するような日を作ってみるのもよいと思います。
部活動と同じように、本番ではなかなか練習以上の力は出せません。体力・気力を付ける練習も積んでおきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

ここまで見てきて、各教科に共通するものを感じたのではないでしょうか。
どの教科でも求められる力は、次の2つです。

○与えられた材料の読解力
文章だけでなく、グラフ・表、図などさまざまな形式の材料を、素早く読み取る力

○与えられた材料同士を結び付ける力
「このことを言うには、このことが根拠になる」というような材料同士の関係性を考え、意見等を組み立てられる力

これらは、大学に入学してから、そして社会に出てから求められる力とも言えます。
「教科書を覚える」ような学習だけでは、また従来型の問題を解きまくるような学習だけでは身に付きません。学校での授業、総合的な探究の時間、行事、部活動、さまざまな場面で、自分で考えて組み立てる経験を積み重ねることが大切です。
この原稿を書くに当たっても、公表された試作問題等を《読解》して、これまでの入試問題の特徴や、高校での学習の状況と《結び付け》て考え、伝えたいことを《組み立て》て表現しています。

これからの社会、言われたことをきちんとやる、というのはAIとロボットがやってくれます。自分で《考えを組み立てる》力を付けるということを大切にしましょう。それが大学入試だけでなく、将来の人生にも役立ちます。

プロフィール

西島 一博(にしじま かずひろ)

西島 一博(にしじま かずひろ)

ベネッセ文教総研所長。株式会社ベネッセコーポレーションで、高校、中学校、小学校対象のさまざまな教材開発に携わる。2016年度より高校用教材・生徒手帳などの制作・販売を行うグループ会社、株式会社ラーンズの代表取締役社長を務め、2021年度より現職。ベネッセ文教総研では、主として中高接続、高校教育、高大接続の領域での研究、情報発信を行っている。

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