いつ何すればいいの?大学の推薦入試の種類と時期まとめ。総合型・学校推薦型選抜体験談も!
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「大学の推薦入試が気になるけれど……そもそも総合型選抜、学校推薦型選抜って何?」
「親世代と子どもで、推薦入試の制度が全然違って、正直よくわからない……」
推薦入試を考えた時、そんな疑問にぶつかる人は、とても多いです。
けれど実は、今どきの大学の推薦入試は、「多くの人に合格のチャンスがある」のがポイント!
保護者世代にとって大学入試の「推薦」というと、一部の成績優秀者や一芸に秀でた特別な人のもの、という印象が強いかもしれません。
しかし今や、学生にとっても身近な入試方式。
私立大の入学者の半数以上(※)が総合型選抜・学校推薦型選抜での入学なのです。
※出典:文部科学省「令和3年度国公私立大学入学者選抜実施状況」
「自分は推薦入試は関係ないかな」
「うちの子が推薦入試……?」と思うかもしれませんが、実は、推薦入試を知っておくことで、合格のチャンスを広げられるかもしれないのです……!
そこで今回は、推薦入試の仕組みや出願条件、主な選考方法、必要な対策はもちろんのこと……。
実際に合格した先輩の体験談もふまえて、「進研ゼミ高校講座」の大学受験情報責任者 相武貴志が解説していきますね!
まずは推薦入試の主な制度は「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の2つ!
そもそも推薦入試には、大きくわけて「学校推薦型選抜」と「総合型選抜」の2種類があります。
一番大きな違いは「出願に高校の校長先生の推薦がいるか、いらないか」です。
「学校推薦型選抜」には高校の校長先生の推薦が必要。
一方の「総合型選抜」には推薦はいりません。条件さえ満たせば、自分で決めて出願できるのです。
まずは、それぞれどんなものかを見ていきましょう!
総合型選抜=自分で決めて出願できる入試制度。「大学がどんな学生を求めているか?」を知ろう
総合型選抜は、出願に際して学校長の推薦は基本的には不要。
条件さえ満たせば、自分で決めて出願できる入試制度です。
ポイントは「大学の方針と受験生の希望のマッチングを重視する」入試であること。
総合型選抜を実施する多くの大学で、「どんな学生を求めているか=アドミッション・ポリシー」を示しています。
このアドミッション・ポリシーにそって、意欲・適性・能力などを時間をかけて評価していくのです。
総合型選抜では、実際にどんな試験が多い?
総合型選抜は、受験生の学習意欲や明確な目的意識をとくに評価しています。
・面接
・小論文
・レポート
など、内容は大学によってさまざま。
例えば、2023年度の関西大学 経済学部(大阪府)の総合型選抜(AO入試)の場合をみてみましょう。
2023年度入試から、経済学部のAO入試では、<自己推薦型><グローバル・リーダー志向型><データサイエンティスト志向型>の3つの評価型を導入。出願条件が増えたことにより、受験のチャンスが広がりました。
第1次選考は、出願書類をもとにした、書類選考。
第2次選考は、選考日に「課題エッセイ」(800字程度)と「課題エッセイ」を素材にして行う面接(口頭試問を含む)が課されます。
\実際に合格した先輩の体験談/
自己分析をしっかりしました。なぜその大学なのか? なぜその学部なのか? はもちろんのこと、自分はどういう人なのか、短所や長所を考えることによって自分の軸ができます。面接での予想外の質問にも、柔軟に対応できました。
(千葉大学 教育学部 学校教員養成 IM先輩)
学校推薦型選抜=学校長の推薦を得たら出願OK!高校時代の成績に基準があることが多い
学校推薦型選抜は、学校長の推薦が必要な入試制度。
出願条件として「学習成績の状況(評定平均)が4.0以上」など、高校自体の成績に一定の基準を設ける大学が多いです。
大きくわけて、「指定校制」「公募制」の2種類。
①指定校制
大学が特定の高校を指定して実施する方式。
学習や部活動などの成績を評価し、校内選考が行われます。
募集人員は少なく狭き門ではありますが、校内選考に通れば、合格する可能性は高いのが特徴です。
②公募制
大学が示した条件をクリアし、学校長の推薦があれば、どの高校からも出願できる方式。大学の出願条件として学習成績の状況に基準があることが多い入試です。
「一般推薦」と「特別推薦」にわかれます。
・一般推薦…書類審査や面接、小論文を課すケースが多く、口頭試問なども。出願に必要な成績基準は高めで、国公立大の場合は共通テストが課されるケースもみられます。
・特別推薦…スポーツや文化活動、課外活動などの実績が評価されるのが特徴。評定平均値に基準があることは少なくなっています。
\実際に合格した先輩の体験談/
学習成績の状況のもととなる高校のテストは範囲が広いうえに、科目数も多いため、最低でも2週間前から始めたほうがいいです。暗記科目は3週間前からコツコツやると忘れにくい。
面接については、実際に先生と面接練習をやりました。自分では想像していなかった質問をされることがあるため、その質問の答えを本番の前に用意することに。実際の面接試験で、いろいろな質問に自信をもって答える力がつきました。
(東京理科大学 経営学部 経営学科 OM先輩)
学校推薦型選抜では、実際にどんな試験が多い?
学校長の推薦がいる「学校推薦型選抜」では、高校の学習状況や課外活動など、日頃の努力を評価するのがポイント。思考力や表現力、個性等を見るため、小論文や面接などを課す場合も多くなっています。
主な選抜方法は、以下です。
・成績基準(例:全体の学習成績の状況4.0以上など)
・面接
・小論文
・学科試験
・大学入学共通テスト
推薦入試の出願・合格発表はいつごろ?目安のスケジュールはコレ!
続いて、推薦入試の出願・合格発表のスケジュールについては、大学・学部学科によって、大きく異なる場合が多いです。
学校長の推薦がいらない「総合型選抜」と、学校長の推薦がいる「学校推薦型選抜」それぞれの、一般的な目安をご紹介しますね。
まず、学校長の推薦がいらない「総合型選抜」の場合の目安は以下の通りです。
9月 出願
10~11月 合格発表
合否が決まる時期は、比較的早めです。
一方、学校長の推薦がいる「学校推薦型選抜」の目安は以下の通りです。
9月 校内選考 ※指定校制(大学が特定の高校を指定して実施する方式)の場合
11月 出願
12月 入試・合格発表 ※共通テストを課さない場合
1~2月 入試・合格発表 ※共通テストを課す場合
推薦入試のスケジュールは、大学・学部学科によって、大きく異なる場合が多いです。出願登録期間は出願する日程・時間が決められていたり、2次選考日が学部によって異なることも……。
まずは、大学のWebサイトで入学試験要項などをチェックしてみてくださいね。
推薦入試の対策はいつから?どうやって?
受験対策はいつから?
推薦入試の対策は、高3になると本格的にスタートします。
ただし、「推薦入試を、受験するかどうか」については高2の1~3月(いわゆる「受験0学期」)に決めておくのがオススメ。高3の4~6月に、推薦入試に提出する書類の内容をまとめたり、出願に必要な検定試験を受検できるからです。
高3の7月ごろに、最終的な出願先を決定。
高3の夏休み以降は、小論文・志望理由書・面接対策などの具体的な受験対策が始まります。一般入試と推薦入試、両方の対策をするので忙しい時期です。
とはいえ、先輩たちも夏から勉強を入試対策に切り替えて、合格しています。一般入試と推薦入試、両方の対策が心配なかたも、心配しすぎなくて大丈夫ですよ!
推薦入試の対策は、どうやってやるといい?
では実際、推薦入試の対策には、どんなことが必要なのでしょうか。
小論文・面接など、実際に合格した先輩たちからのアドバイスをまとめたので、参考にしてみてくださいね!
推薦入試で問われる学習成績の状況(評定平均値)とは?
上記のような実際の対策に加えて、多くの推薦入試で問われるのが学校の成績です。
出願要件として、「評定平均値〇〇以上」と示されることが多く、求められる学習成績の状況(評定平均値)は、主に高1・1学期(前期)~高3・1学期(前期)の平均値になります。
以下は出願のために問われる成績の例です。こうした条件は、学校推薦型選抜だけでなく多くの総合型選抜でも提示されます。大学が課す成績基準を満たさないと出願さえできないこともあるので、高1〜2のかたはとくに、日頃の定期テストをがんばっておきましょう。
学校推薦型選抜の場合 ※2022年度入試より
※高校の成績を従来の通称「評定」としてお伝えしています。現在は「学習成績の状況」という名称に変更になっています。
まとめ & 実践 TIPS
「学校推薦型選抜」「総合型選抜」いずれも、大学・学部学科によって成績基準や選考方法も異なります。
大事なのは、保護者のかたとお子さまの、早めの情報収集。
担任の先生に「推薦も視野に入れています」と意思表示したり、志望大候補の成績基準や必要な対策を把握しておくことで、受験のチャンスが広がりますよ。
高1・高2のかたは、まずは出願条件〔主に学習成績の状況(評定平均値)〕をクリアするために、定期テストをがんばることから始めてみましょう。さらに、資格・検定試験にチャレンジしたり、興味がある大学を調べたりすると、さらによいですね。
※ここでは「学校推薦型選抜」「総合型選抜」をあわせて「推薦入試」として紹介しています。
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