[大学入学共通テスト]2025年度以降の出題教科・科目の再編案 現在の中2生が受ける入試からどう変わる?

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2021年度入試(令和3年度)から、これまでの「大学入試センター試験」に代わって、「大学入学共通テスト(以下、共通テスト)」が始まります。先日、その出題教科や科目等について、大学入試センターが2025年度入試(令和7年度)に変更を予定する検討案をまとめた、との報道がありました。2025年度は、高等学校において新しい学習指導要領で学ぶことになる、現在の中学2年生が受験する年に当たっており、この流れに合わせて検討が進められている状況です。
※この記事の内容は2020年10月31日現在の情報です。

この記事のポイント

出題科目は、6教科30科目から7教科21科目に

検討案では、新しい学習指導要領で必修化される「情報」や「公共」を新設するほか、地理歴史、公民、数学、理科の各教科を再編して、現在の6教科30科目から7教科21科目に削減する内容になっています。

上の表のように、検討案では、地理歴史・公民が10科目から6科目に、数学が6科目から3科目に、理科が8科目から5科目に削減され、新しい学習指導要領で必修化される「情報」や「公共」が新たに加わる案が示されています。
なお、「情報」については、各大学が必須科目とするのかどうかがポイントになるため、各大学での今後の検討状況に注目したいところです。

文系の受験生でも数学Cが必要になる可能性も

検討案では数学の科目に、『数学Ⅱ、数学B、数学C』が設けられており、数学Cが新たに加わっています。新しい学習指導要領では、ベクトル(現行の学習指導要領では数学B)が数学Cに移行されるため、それを考慮したものと考えられます。
また、理科の「基礎科目」について、検討案では1つにまとめられていますが、受験生が科目を選べる方法などが考えられます。

記述式問題の導入や英語4技能評価については今後も対応を検討

共通テストと各大学の個別入試との関係、記述式問題の導入、英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能の評価等については、文部科学省の「大学入試のあり方に関する検討会議」の検討結果を踏まえ、必要な対応を行う予定とのことです。ちなみに、英語については、スピーキングやライティングは導入せず、従来通りリーディングとリスニングでの試験が提案されています。

大学入学共通テストの詳細は2020年度内をめどに公表予定

大学入試センターは現在、検討案について大学関係者、高校関係者に情報提供を行い、意見を伺っているとのことです。従来通りのスケジュールであれば、来年夏には詳細が公表される予定ですが、大学入試センターとしては、今年度中をめどに一定の結論を得て公表するようです。

まとめ & 実践 TIPS

大学入試センターは、2022年度(令和4年度)から実施される、高等学校の新しい学習指導要領に対応する形で、共通テストの出題内容等の刷新を検討してきました。新しい学習指導要領で学び始める、現在の中学2年生の受験のタイミングに合わせて、2025年度入試(令和7年度)からの刷新を予定しています。
先日の報道によると、検討案では現・6教科30科目から7教科21科目への受験科目の削減が示されています。また、大学の個別入試との関係や記述式問題の導入、英語の4技能の評価等については、文部科学省の「大学入試のあり方に関する検討会議」の検討結果を踏まえて対応するとのことです。
現在、大学入試センターは、この検討案について大学や高校の関係者に意見を求めるなどしており、今年度中の決定をめざしています。今後の動向に注目していきたいところです。

プロフィール

ベネッセ文教総研

株式会社ベネッセコーポレーションにおける、学校教育のシンクタンク組織。
小学校から大学まで、すべての学校段階での教育について、調査・研究や提言をおこなっている。

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