秋から冬にかけてなぜ眠いのか1 子どもがいつまでたっても寝ています
秋……寝やすいからか、子どもがいつまでたっても寝ています
「春眠暁を覚えず」なんて言いますが、季節によってなぜか、すんなり起きられる時と、いつまででも寝ていたい時がありますよね。
そして、これは自然の摂理でもあるんです。
人間の睡眠は、気温でなく、日照時間の長さと密接な関係があります。まず、太陽が出ている時間が長いと、人は……というか生物全体に言えることですが、睡眠時間が短くなる傾向があります。逆も同様で、日照時間が短く、夜が長いと、生物の睡眠時間も長くなります。だから、たとえば北極圏の近くにあるフィンランドでは、季節によって人の睡眠時間に大きな差があります(首都ヘルシンキの日照時間は夏至時に約20時間、冬至はたった4時間程度)。
もうひとつは、日の長さの変化率です。
夏は日が長く、冬は日が短いですよね。毎日、日が長くなったり、短くなったりしているからですが、これは「1日あたり何分」と同じだけ変化しているわけじゃないんです。まず、最も日が短い冬至からだんだん日照時間が長くなっていき、夏至が近づくに従ってあまり変わらなくなって、夏至を境に日が短くなっていきます。で、秋分の日のあたりはぐんぐんと日が短くなっていって、でも日が短くなっていくスピードは徐々に鈍っていって、冬至を迎えると日が長くなり始める……。
そして、この変化率が高いほど、人はよく眠るのです。だから結論を言えば「秋分の日と春分の日は眠い」んですね。
すると答えが見えてきます。次回以降で詳しくお話ししますが、人は「寝だめ」はできませんが「睡眠時間を借金」することはできます。で、夏の間は一般的に睡眠時間が短くなって、人はいつしか借金を重ねているんですね。すると……1年で一番眠い季節は「秋」という答えが出ます。
だから「秋は眠い」でいいんです。そして最善の策は「自然の摂理に従ってゆっくり眠る」ことなんです。
が、ひとつだけ提案があります。長めに眠るのはよいけれど、できれば朝ダラダラと寝るのでなく、夜、早めに寝てほしいんです。なぜなら……
●朝5時半~8時半は最も起床に向いた時間帯
だからです。簡単にご説明しましょう。
まず、あなたが朝ごはんを食べますよね。このエネルギーは血糖に変わって、あなたの体を動かすエネルギーになってくれます。そしてお昼ごはんを食べると、そのエネルギーで夕方まで、晩ごはんを食べると、そのエネルギーで寝るまで、人は体を動かします。ちなみに、余ったものは「グリコーゲン」という物質に変わって筋肉などに蓄えられ、それでも余ると脂肪などになります。
で、寝ている間に活躍するのが、この「グリコーゲン」と「コルチゾール」というホルモンなんです。コルチゾールは蓄えられた「グリコーゲン」を分解してエネルギーに変えるもので、夜中の3時以降、8時くらいまで体内で分泌されます。このホルモンが、あなたの体に蓄えられたものを分解して、寝ている間、もしくは朝起きてすぐ使うエネルギーに変えてくれているんですよ。
しかし、朝起きずに昼くらいまでダラダラと寝ていると、コルチゾールが分解した栄養が再びグリコーゲンに戻って体内にたまってしまいます。当然、エネルギーがない状態で起きることになるため、なかなか動けません。ごはんを食べても、体がエネルギーに変えるまで少し時間がかかります(食べるものによります。果物など、甘いものは比較的速くエネルギーに変わります)。いずれにせよそのあいだ、人はエネルギーがない、元気でない状態で動くことになり、さらに、結果として使われなかったエネルギーは脂肪になってしまうんです。これでは悪いことずくめですね……。
なので、長々と書いてきましたが、今日の結論はこれ。
●秋はゆっくり寝てください。しかし、睡眠時間を増やすなら、夜、早めに寝てください。
そのほうがダイエットにもなりますよ。保護者のみなさまもぜひ!
「春眠暁を覚えず」なんて言いますが、季節によってなぜか、すんなり起きられる時と、いつまででも寝ていたい時がありますよね。
そして、これは自然の摂理でもあるんです。
人間の睡眠は、気温でなく、日照時間の長さと密接な関係があります。まず、太陽が出ている時間が長いと、人は……というか生物全体に言えることですが、睡眠時間が短くなる傾向があります。逆も同様で、日照時間が短く、夜が長いと、生物の睡眠時間も長くなります。だから、たとえば北極圏の近くにあるフィンランドでは、季節によって人の睡眠時間に大きな差があります(首都ヘルシンキの日照時間は夏至時に約20時間、冬至はたった4時間程度)。
もうひとつは、日の長さの変化率です。
夏は日が長く、冬は日が短いですよね。毎日、日が長くなったり、短くなったりしているからですが、これは「1日あたり何分」と同じだけ変化しているわけじゃないんです。まず、最も日が短い冬至からだんだん日照時間が長くなっていき、夏至が近づくに従ってあまり変わらなくなって、夏至を境に日が短くなっていきます。で、秋分の日のあたりはぐんぐんと日が短くなっていって、でも日が短くなっていくスピードは徐々に鈍っていって、冬至を迎えると日が長くなり始める……。
そして、この変化率が高いほど、人はよく眠るのです。だから結論を言えば「秋分の日と春分の日は眠い」んですね。
すると答えが見えてきます。次回以降で詳しくお話ししますが、人は「寝だめ」はできませんが「睡眠時間を借金」することはできます。で、夏の間は一般的に睡眠時間が短くなって、人はいつしか借金を重ねているんですね。すると……1年で一番眠い季節は「秋」という答えが出ます。
だから「秋は眠い」でいいんです。そして最善の策は「自然の摂理に従ってゆっくり眠る」ことなんです。
が、ひとつだけ提案があります。長めに眠るのはよいけれど、できれば朝ダラダラと寝るのでなく、夜、早めに寝てほしいんです。なぜなら……
●朝5時半~8時半は最も起床に向いた時間帯
だからです。簡単にご説明しましょう。
まず、あなたが朝ごはんを食べますよね。このエネルギーは血糖に変わって、あなたの体を動かすエネルギーになってくれます。そしてお昼ごはんを食べると、そのエネルギーで夕方まで、晩ごはんを食べると、そのエネルギーで寝るまで、人は体を動かします。ちなみに、余ったものは「グリコーゲン」という物質に変わって筋肉などに蓄えられ、それでも余ると脂肪などになります。
で、寝ている間に活躍するのが、この「グリコーゲン」と「コルチゾール」というホルモンなんです。コルチゾールは蓄えられた「グリコーゲン」を分解してエネルギーに変えるもので、夜中の3時以降、8時くらいまで体内で分泌されます。このホルモンが、あなたの体に蓄えられたものを分解して、寝ている間、もしくは朝起きてすぐ使うエネルギーに変えてくれているんですよ。
しかし、朝起きずに昼くらいまでダラダラと寝ていると、コルチゾールが分解した栄養が再びグリコーゲンに戻って体内にたまってしまいます。当然、エネルギーがない状態で起きることになるため、なかなか動けません。ごはんを食べても、体がエネルギーに変えるまで少し時間がかかります(食べるものによります。果物など、甘いものは比較的速くエネルギーに変わります)。いずれにせよそのあいだ、人はエネルギーがない、元気でない状態で動くことになり、さらに、結果として使われなかったエネルギーは脂肪になってしまうんです。これでは悪いことずくめですね……。
なので、長々と書いてきましたが、今日の結論はこれ。
●秋はゆっくり寝てください。しかし、睡眠時間を増やすなら、夜、早めに寝てください。
そのほうがダイエットにもなりますよ。保護者のみなさまもぜひ!