「進学重点校」制度の広がりとは 我が子が伸びそうかが判断基準[高校受験]
■我が子が伸びそうかが判断基準
今回は「進学重点校」とお子さまの相性などについて説明します。
●指定制度により入学生のレベルが変化
ここまで「進学重点校」指定について見てきました。これまで述べてきたように、学力の高い生徒を集めて予算・先生の面で学習環境を整えるシステムが全国的に広がってきています。
結果として、学力に自信のある生徒がこれら特定の指定校に集中するようになっています。そのため、二番手以下の学校との間のレベル差が開く傾向にあり、二番手の学校は以前より入りやすくなっています。また、優秀な生徒が特定の学校に吸い上げられてしまって、四番手以下になるとお手本となる生徒がおらず、勉強に適した環境とは言いづらい学校も生まれています。保護者としてはそうしたことも押さえておく必要があるでしょう。
指定制度によって、同じ学校でも中の様子が以前とは変わってきていることにも注意したいものです。
●お子さまの性格をきちんと把握して
併願できる私立高校がたくさんある大都市圏では、受験生は「進学重点校」に指定されている難関校にチャレンジするという傾向が顕著です。
学区内の進学校には、そうした勉強も部活もがんばり、内申もいいエネルギーにあふれた生徒が集まります。おとなしい生徒だと埋もれてしまい、成績が低迷すると自信そのものを失ってしまうケースがあります。
むしろ二番手校、三番手校で毎日明るく過ごせたほうが伸びるというタイプも生徒もいます。保護者の心理としてはどうしても「進学重点校」に指定されている難関校に進ませたくなりますが、いちばん大切なことは、学校選びの前にそうしたお子さまの性格を見極めることです。学校が難関校で、世間の評価が高くても、お子さまが毎日暗い顔をして通っているようでは意味がありません。何よりお子さまが伸びそうな学校探しをしていただきたいと思います。
●中堅校は学校による差が大きい
こうした難関校でなく中堅校の場合は、自治体の高校改革からも取り残されている(どうしても上位校と下位校の改革にまず手を付けているので)という面があります。生徒も先生もモチベーションが高くなく、校内になんとなく元気が感じられない、という学校も現実には存在します。
一方、校長以下の先生がたが全員で、学習指導や生活指導に熱く取り組んでいる学校もあります。
ですから、「進学重点校」だけでなく、我が子に合った中堅校にも実際に足を運び、校内に活気があるかどうかご自分の目で見ておく必要があるでしょう。