6年生9月からの受験勉強の進め方【中学受験】

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中学受験を控えた6年生にとって、2学期は大事な追い込み時期です。6年生の9月から12月まで、どのように受験勉強を進めていくと効果的か、森上教育研究所がお伝えします。

この記事のポイント

受験範囲をカバーする教材を1冊用意し、4か月で一通り取り組む

受験を控えた2学期、塾での学習に加えてぜひ取り組んでおきたいのが、受験範囲を一通りおさらいすることです。適しているのは、コンパクトに受験範囲を一通りカバーした参考書と問題集を兼ねた薄い教材です。塾の教材でもいいですし、森上教育研究所スキル研究会の「これだけシリーズ」など、何でもいいでしょう。それを9月から12月までの4か月で一通り取り組みます。

この時期はお子さんも少し心理的に追い詰められてくる時期です。なので、計画表を作って取り組み、できたところにはシールを貼ったり、色を塗ったりすることで、達成感が得られるようにするのがポイントです。

志望校のレベルに応じた達成目標を決める

教材を全て理解するのは大変ですから、志望校のレベルに応じた達成目標を決めておきましょう。入試問題では基礎的な問題と応用問題がバランスよく出題されることがほとんどですが、偏差値が50未満の学校を受ける場合であれば、基礎的な問題が解ければ合格点に達します。そういった学校を志望しているお子さんであれば、基礎問題を全て理解することを目標とするといいでしょう。

偏差値が50〜60程度の学校を目指している場合は、受験までに基礎問題だけではなく練習問題が全てできるようになることが必要です。したがって秋の段階では、基礎問題全てと練習問題の50%がコンスタントに解ける状態を目標としましょう。

志望校が絞り込めている場合は、過去問で重点的に取り組む問題を見定める

この段階で志望校が絞られている場合は、過去問をチェックし、頻出の分野に重点を置いて取り組ませることが効果的です。塾のホームページで会員登録すれば無料で過去問を閲覧できるサービスも行われていますから、志望校を決めたら過去問は入手しておきましょう。保護者のほうで重点分野を見定めるのが難しいときは、塾の先生に相談に乗っていただくのもいいでしょう。

また、過去問をご覧になると「こんなにできないといけないのか」と思われるかもしれません。しかし、合格点は大体6割ですから、全てできなくても大丈夫です。秋の段階では過去問の5割を取ることを最初の目標と考えましょう。

模試の正答率が高い問題は必ずできるようにしておく

6年生の秋になると模試も毎月くらいのペースで行われるようになりますし、塾によっては月例テストも行われています。こうしたテストでは、問題ごとの正答率が出ますから、正答率60%以上の問題については必ず復習し、できるようになっておきましょう。テストの度に繰り返し復習していれば、正答率60%以上の問題は、いつでも解けるという状態になっていきます。そうすれば、お子さんにとってもかなりの自信につながると思います。

まとめ & 実践 TIPS

6年生の2学期は、コンパクトな薄い教材で受験範囲を一通りおさらいしておきましょう。計画表を作り達成感が得られるよう工夫するとともに、志望する学校のレベルに応じた目標を定めておくことをおすすめします。志望校が絞られている場合は、過去問を入手し頻出分野を重点的に取り組ませましょう。また、模試などの度に正答率60%以上の問題は必ず復習しておきましょう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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