中学受験を考えたら?最初の準備と学校の選びかた
新学期を迎え、小学生のお子さまをもつ保護者のかたの中には、我が子を中学受験させるべきかお悩みのかたもいらっしゃるかもしれません。そこで、中学受験の準備やいちばんはじめの学校選びの際にはどんなことに気を付ければよいのか、森上教育研究所がお伝えします。
お子さまの発達に合わせて大学までの進路をイメージする
中学受験の準備を始める際に、まず考えていただきたいのは以下の2つのことです。
●お子さまの将来を具体的にイメージする
実際に受験するのはお子さまご自身とはいえ、中学受験では保護者のかたの考え方によって学校を選ぶ基準も変わってくるかと思います。そのため、保護者のかたがお子さまのキャリアについてどう思い描いているのか、イメージがあるとよいですね。
たとえば、ご両親が慶應大学出身ならお子さまも慶應大学にという傾向が強くなるかと思いますし、お子さまには4年制大学に進学にしてほしいけれど家計のことを考えると私立中学校は難しいというご家庭は、公立の中高一貫校にチャレンジしてみる……というようなだいたいのイメージで構いません。
●お子さまの発達がどれくらいなのかを知る
お子さまが小学3年生になると、中学受験をするかしないか本格的に悩み始めるご家庭が多いようです。中学受験するかしないか決める際は、4年生の成績を目安にすることをおすすめしています。中学受験を考えている場合、各塾で行っている国語のテストの結果を参考にするとわかりやすいです。
これは本人の能力というよりは発達段階の話で、出来がよければ<早生(わせ)>タイプということ。おそらく意欲もあるでしょうから、中学受験に向かって走り出しても大丈夫。反対に、あまり出来がよくなかったという<晩稲(おくて)>タイプのお子さまの場合は、無理強いをすると勉強嫌いになってしまう可能性もあるため、まずは学ぶことが好きになる工夫をしてあげられるとよいですね。
どちらでもなく中間というお子さまは本格的に中学受験の勉強を始めてもよいですし、幅広い選択ができるタイプです。ただ、現在では塾に通い始めると、周りのお子さまがそうであるように必ずそのまま中学受験するという方向になるため、保護者のかたは少し慎重に考えたほうがよいでしょう。
実際に「通う身」になって学校を選ぶ
次に、学校選びをする際にはもちろん偏差値や倍率も重要ですが、学校生活を送るお子さま自身の「通う身」になって選ぶこともとても大切です。
たとえば、通学時間。どのくらい通学に時間がかかるのか、長い距離の場合はお子さんが苦なく通えるのか、ラッシュアワーはどのくらい混むのか、それとも下り方向の電車なのか、通学路に危険がないかは、実際に行ってみないとわかりません。また、中学受験のために引っ越しができるのかどうかも大きな要素になるでしょう。
学校は、いわば<近隣商圏>のため、自宅の近くにあることが普通です。平均的には45分以内の時間を目安に通われるご家庭が多いようです。
また、体育の時間がどのくらいあるのかも調べておきたいところです。クラブ活動で毎日運動する場合はよいのですが、体の発育に重要な時期である中学生時代は、勉強だけでなく体を動かすことも大切です。
「中学受験をする」と決めたら、保護者のかたは焦りからお子さまに無理を強要しがちです。小学生という人生の初期の段階から勉強や学校が嫌いにならないよう、我が子のキャラクターに合わせた準備を進められるとよいですね。