【小論文書き方講座13】小論文でよく出るテーマ<その3>
学部系統別の頻出テーマを知って、小論文対策を効率よく!
小論文入試でどんなテーマが出題されるのか知っておきたいけれど、過去問集をさかのぼる時間もないし、手間もかかるし…と、その時点で小論文対策の手が止まったりしていませんか?
進研ゼミ小論文講座では、直近の入試問題から学部系統別の傾向を分析して、頻出テーマを割り出しています。
最終回の今回は、生活科学系統、芸術学系統、体育学系統の頻出テーマを紹介します。
【生活科学系統の頻出テーマ】
・「衣・食・住」
・「環境問題」
・「地域社会・コミュニケーション」
生活科学系統の学問は、健康で快適な生活を築くためにはどうすればよいか、生活に近い事柄に関する問題点を追究することが中心となります。そこで、入試で取り上げられるテーマも、人間の生活・暮らし全般を扱うという学問の特徴が表れています。
「衣・食・住」は人間の暮らしの基本となるものです。すべての生活科学系学部の研究対象として押さえておきたいテーマでもあります。
「環境問題」は地球規模の課題であると同時に、一人ひとりが実践できる身近なテーマでもあることから、毎年出題されています。
「地域社会・コミュニケーション」は、生活科学系学部の研究対象である生活の場や、そこでの交流に注目したテーマです。昔のような地域社会のつながりが失われつつある現在、地域の人々とどのようなつながりを持つか、また携帯電話やインターネットの普及とともに変容するコミュニケーションから生まれる問題にどう対応していくかなどが問われます。
【芸術学系統の頻出テーマ】
・「芸術論」
・「現代社会における芸術」
芸術学系統は、芸術作品の研究、創作や演奏、理論や芸術史の研究など、様々な分野を持ち、入試で扱われるテーマにも、「芸術」を追究する学問の特徴が表れています。
まず中心となるのが「芸術論」です。これは芸術そのものの意味や役割を考えたり、自分自身と芸術とのかかわりを考えたりする出題です。そのほか、「作品批評」など、芸術に関する評論を読んだり、写真や絵画などの実作品を見たりして、芸術の本質とは何か、その作品の本質とは何かを考えさせる出題もあります。
また、社会の中の芸術という観点から「現代社会における芸術」の意義を問う問題も多く出されます。
芸術は人によってつくられ、人を感動させるものですが、制作された時代の社会状況の影響を受け、多様に変化するものでもあります。そうした中で、芸術をどのように位置づけ意義を見いだすのか、また芸術をどのように受容するのかが問われます。
【体育学系統の頻出テーマ】
・「スポーツの役割と意義」
・「健康」
体育学系統の入試で取り上げられるテーマには、スポーツと人間の身体全般を扱うという体育系学問の特徴が表れており、そのほとんどが「スポーツ(体育)」と密接なかかわりを持っています。
そんな中で、最も多く出題されるテーマが「スポーツの役割と意義」です。スポーツそのものがどういうもので、どういう役割を持っているのか、そのうえで、どのような意義があるのかを考えていく問題です。
誰もが生涯にわたって楽しめ、かつ健康を増進する「生涯スポーツ」という概念が広がりつつある昨今、競技以外のスポーツの役割や意義を考えるという出題です。
また、運動が不足しがちな現代人の健康問題についての出題も多く出されています。現代社会特有の労働環境や生活環境、食生活などが人の健康にどのような影響を及ぼし、ストレスを与えるのか、それに対して運動がどのような役割を果たすのか、考えさせるねらいがあると言えます。
これまで3回にわたって小論文入試の学部系統別頻出テーマを紹介してきました。自分が志望する学部の頻出テーマが確認できたら、ちょっと時間ができた時にネタを集めたり、考えを巡らせてみたりしてくださいね。
文/進研ゼミ高校講座 受験情報担当 伊藤
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