時間の足りない2学期、確実に成果を上げるには?[中学受験 5年生]
お気に入りに登録
5年生の2学期は、中学受験のひとつの山といえます。
学習する単元がぐっと難しくなりますし、学校行事も多いので、時間が足りなくなりがちで、成績が伸び悩む子が多いのです。
そこで今回は、短時間で成果を上げるための学習法についてお話しします。
学習内容を基礎に絞り、時には勉強そのものを休ませて
5年生の2学期には、「成績が伸びないのですが…」という相談をよく受けます。学習内容が濃くなっているのに、時間が足りなくて成績が伸びないというケースが多いんですね。その場合、保護者のかたが学習内容を絞ってあげることが大切です。
基礎の理解が足りなければ時間をかけて教えてあげ、応用問題はばっさりと削ってしまってOKです。また、塾などの成績が3週間以上連続して落ちているようなら、思い切って休ませましょう。
「頑張りなさい」と言い続けて理解が不十分なまま知識を詰め込むより、休ませるほうがずっとよいのです。そして、塾に復帰する前に、その週に学ぶ単元だけをゆっくり学ばせ、塾のテストでよい成績を取らせてあげるとよいと思います。意欲と自信が回復すれば、成績は少しずつ伸びていきます。
インプットだけでなくアウトプットを大切に
知識は、インプットするだけでなく、アウトプットするとよりしっかりと身につきます。その週に学んだことを「今週のまとめ」として、お子さまの得意な形でプレゼンしてもらうといいですね。
たとえば地理であれば、ある地域の特徴について現場中継のようにしゃべって説明してもらうのもいいですし、模造紙や、書いたり消したりできるホワイトボードシート等を壁に貼って、図やイラストを使って解説してもらうのもおもしろいと思います。
保護者のかたは「よくまとめたね」とほめてあげるとともに、気づいたところや疑問に感じたところを「こんなときはどうなるの?」というふうに突っ込んであげてください。あやふやなところを調べ直したり、人に説明したりすることで理解が深まり、学習事項をいきなりテストで試すより、ずっと深く記憶に残ります。
対話しながら学ぶことで、問題解決力と問題発見力が身につく
このように、ふだんから自分で説明したり、相手からの質問に答えたりというふうにやりとりをしながら学んでいると、自分で学習内容を深める力や疑問点を発見する力もついてきます。
たとえば「家のゴミを減らすには?」といった身近な問題に対しては、ゴミの分別やリサイクルについての知識があれば様々なアイデアを思いつけるでしょう。しかし、自治体、県、国のゴミ問題となると、考慮すべき条件がより複雑になってきます。身近な問題と社会的な問題がつながっていることも、対話を通して実感できます。
学校行事から学べること
学芸会や運動会など、学校行事の準備や本番で時間を取られることも多いと思いますが、そんなときはむしろ行事に集中させ、「この週は、勉強は半分でいいよ」というふうにスケジュール調整をしてあげたいものです。
学校行事は自分なりの考え方やものの見方を育むきっかけにもなります。行事も勉強も中途半端になってしまうのはよくありません。
「その学年でしかできない体験はしっかりさせる」という方針で、保護者のかたが上手に学習スケジュールを組んであげてください。
(筆者:森上展安)
みんなが読んでる!おすすめ記事
- スポーツや音楽など習い事をたくさんしているため、勉強時間が足りません[中学受験]
- 2008年度入試で何が問われたか<算数>
- 学部横断型で学ぶ、先進のグローバル教育 専門性を生かして世界を舞台に活躍する人材を育成【変わる大学】
- 時間が足りなくなり、未解答の問題がいくつかあります[中学受験]
- 2012年度入試問題 学校別分析3 【武蔵中、駒場東邦中、栄光学園中】[2012年度入試で何が問われたか<算数> 首都圏上位10校の問題を徹底分析 第4回]
- 東京学芸大学 教育学部 初等・中等教育教員養成課程 社会科教室 (2) 好きなことを学んで高めた専門性が社会に出たときの武器になる[大学研究室訪問 学びの先にあるもの 第2回]
- 2学期に備えて苦手予防を [中学受験 4年生]
- 受験はお子さま主導型で[2012年度入試で何が問われたか<算数> お子さま主導型で成長を実感できる算数 第1回]
- 東京大学社会科学研究所・ ベネッセ教育総合研究所共同研究 「子どもの生活と学びに関する親子調査2015」