受験はお子さま主導型で[2012年度入試で何が問われたか<算数> お子さま主導型で成長を実感できる算数 第1回]
以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの宮本算数教室・宮本哲也先生の講演を抄録したものです。
ご家庭での算数の勉強に、ぜひお役立てください。
受験はお子さま主導型で
●中学受験は本当に大変か?
3つのパターンに分けられます。
(1) 塾主導型 → とても大変です。大変な量の勉強をしなければなりませんし、それを守って全部やろうとすると睡眠時間を削ってやらないと間に合いません。
(2) 保護者主導型 → これはだいたいの場合、保護者のかたの思うようにいかず、保護者のかたがイライラし、お子さまもイライラし、その結果、家庭が崩壊することも珍しくありません。
(3) お子さま主導型 → これが一番まちがいありません。ただ、保護者のかたは忍耐力が必要です。じっと我慢しなければいけない。決してお子さまを否定してはいけません。お子さまのペースでやりたいようにやって、そして分相応の学校に入ればそれでよしとする。
私は、最後の3番目のお子さま主導型のやり方をおすすめしています。お子さま主導型であれば中学受験は大変ではありません。
中学受験を考える保護者のかたがまずすることは、どこの塾に入れようかと考えることではないかと思います。そして塾に入ると、従順であることが要求されます。言われたとおりのやり方で問題を解き、塾の宿題をきちんとやり、塾の復習テストでよい点数をとることが求められる。その結果お子さまの自発性をつぶすことになってしまいます。
一方、上位の学校で求められるお子さまというのは、従順なお子さまではなく、自発的に行動できるお子さまです。ですから早い段階から大手塾に入れてその塾になじませるということは、それらの学校が求めるお子さま像からどんどん遠ざけることになります。
塾は行かないに越したことはありません。どうしても必要ならば、お子さまの健全な生活を壊さない範囲のものを選べばいいのです。最近の私の塾に来ている生徒さんは、大手塾なしで受験する子が珍しくありません。平日、塾に行かなければ6年生の2学期になっても夜9時に寝ることができます。