オープンキャンパスで大学にぶつけたい、こんな質問
オープンキャンパスの大きな特徴の一つが、パンフレットやホームページと違って、教職員や大学生に直接質問できるということです。パンフレットやホームページではわかりにくいことや、大学側があまり表に出したがらない「素の部分」について聞いて、各大学の回答内容を比べてみましょう。答えにくい質問にも誠実に答えてくれる大学なら、教育も誠実に行っていることが期待できますよ。
4年間で、何が得られる?
教員や職員に必ず聞きたい質問が、「この大学・学部・学科に入ると、卒業までにどんな力がつくのか。それは社会でどのように役立つのか」です。教育に力を入れている大学ほど、入学した学生をどう成長させて社会に送り出すのかをしっかり考えているからです。
大学が育てようとしている力は自分が身につけたいと思えるものか、具体的にどんな取り組みによってその力が身につくのか、その取り組みは他大学と比べて優れているかどうかなどがわかればベストです。
学生には、「今までの大学生活で何が身についたのか」、卒業生と話す機会があれば「この大学で身につけた力は社会で役立っているのか」を聞いてみましょう。
実際の授業の様子は?
教員や学生に聞きたい質問です。上に挙げた「4年間で得られるもの」を本当に実現できる授業が行われているのかを確かめましょう。例えば、パンフレットに「少人数制授業」と書いてあれば、具体的に学生何人の授業が全授業の中でどれくらいの割合で行われていて、少人数制を生かして授業中に何をするのかまで知りたいところです。
1クラスの学生数のほか、能動的に参加するタイプの授業と受け身の授業のどちらが多いのか、一般的な学生の授業態度、授業時間外に取り組むべき課題の量、授業時間外に教員と話す時間はあるのかなどについて聞いてみるとよいでしょう。
留学の実情は?
大学にいる間に留学や海外研修に行きたいと考えているなら、留学制度の充実度は大学選びの重要なポイントです。同じような期間や費用でも、みっちり語学を学ぶ留学もあれば、視察や観光中心の“ゆるい”留学もあります。自分の目的に合った非常に充実した留学制度があっても、募集人数が数人であれば参加できないかもしれません。
まずは、自分が留学を通して何をしたいのかを教員や職員に伝えたうえで、それが果たせる留学制度があるかどうかを確認。あれば、参加できる人数、派遣実績、選抜制か希望者制か、費用はどれだけかかるのかなどを尋ねてみましょう。長期留学の場合は、4年間で卒業できるのかどうか、就職活動に影響はないのかなども忘れずにチェック!
就職の現実は?
就職というと、就職率と就職先を気にする人が多いようです。しかし、就職率は大学によって算出方法が異なるため、単純に比較はできません。就職率の高さをアピールしている大学の場合は、何を基準に出した数字なのか教員や職員に聞いてみましょう。就職先も、大学全体のものなのかその学部・学科のものなのか、最新1年分の実績か過去数年の実績かなどを確認したほうがよいでしょう。
またそもそも、就職率が高いことや大手企業に就職実績があることと、入社した企業でその人らしく生き生き働いているかどうかは別問題です。見かけの実績は華々しくなくても、大学で身につけた能力を生かす職場に多数就職している大学、そのような卒業生と連絡を取り合い、活躍ぶりを把握している大学は、就職サポートにおいても信頼がおけそうです。