もう飲めません、なう。[おぐらなおみの「もういちど受験なう。」~浪人・再チャレンジ編~]

++もう飲めません、なう。++

2016年でございますね。受験生の皆さまはどんなお正月を過ごされましたか?

うちのムスメは、「お正月、勉強に集中できないようだったら、願書を書くとよい。」と、
予備校のかたにアドバイスをいただいたようです。
確かに年頭の心静かな時に願書の準備をすることは、受験生の年初めとして、
相当にふさわしい行事のような気がいたします。

「年初め」と記しましたが、考えれば「受験生終わり」にも向かっており、
親としては、そろそろ派手にフィナーレの準備でもしたいところ。
そしてムスメには、派手なフィナーレにふさわしい結果を出していただきたいところ。

というわけで、ついつい以下のようなことを聞きたくてうずうずしてしまいます。

勉強の進捗(しんちょく)はいかがですか?

模試の結果はどうですか?

実際のところ、どの大学に行くことになりそうですか?

……聞きたい。実に聞きたいことばかり。

しかし、これ以上「ムスメの飲んでいる水」の量を増やすわけにはいかない。

水の中には、もちろん「受験勉強」や「不安感」や「焦燥感」が入っているわけですが、
「親の期待」なんて、飲み干すのに苦労しそうなものまでわざわざ足して、
おなかをたっぷんたっぷんにさせなくてもよいであろう。

毎日ひーひー言いながらぐいぐい飲んできたとあって、ずいぶんと大量に飲めるように
なりましたが、過剰な水分は、体のむくみとなって現れたり、
涙となってあふれ出たりしています。

しかし、不器用ながらも続けてきた努力には拍手を送りたい。えらいぞムスメ。

これからセンター試験、私大入試、国公立二次試験と気の抜けない本格的な受験シーズンに
入ってしまいます。

「がんばれ受験生!」という言葉を、毎日飲むべき「努力という名の水」に
プレッシャーにならない程度にそっと数滴、忍ばせておきたいと思います。

プロフィール


おぐらなおみ

漫画家&イラストレーター。長女(25歳)長男(19歳)のベテランママン。急に汗をかく、突然ドキドキするなどの更年期症状と付き合っています。趣味は散歩というか道草。知らない路地をガンガン歩いてよく迷子になる。東京在住。
著書に『働きママン(シリーズ続刊あり)』『私の穴がうまらない』など多数。
Twitter @ogura_naomi

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