【どっちがいいの?】中高一貫校のメリット・デメリット
私立の学校を中心に拡がる、中高一貫教育。文部科学省のデータによると、国公私立を合わせて平成24年4月時点で441校の中高一貫教育校が全国に存在し、増え続けているようです。
中高一貫教育の実施形態とは
中高一貫教育の実施形態としては、以下の3つに分類されます。
(1)中等教育学校
中学校と高校を一つの学校として、6年間での一体的な教育を行う。
(2)併設型の中学校・高等学校
(1)よりもやや緩やかな展開で、中学校と高校を併設するパターンです。
県や市、学校法人が中学校と高校を併設するような、同一設置者による併設校がこれにあたります。
(3)連携型の中学校・高等学校
(2)との違いは学校の設置者が異なる点です。
設置者の異なる中学校と高校が、教員や生徒の交流・連携を深めながら一貫教育を行っていくパターンです。
中高一貫校のメリット
中高一貫校の最大のメリットは、あらゆる面で「6年間」というスパンでの継続が可能、ということです。例えば部活動であっても、通常は3年間でガラッと環境等が変わってしまうところが、中高一貫校であれば「6年間」同一の環境で続けられますので、より打ち込めるようになります。また、基本的には「高校受験」が存在しないため、その時間を別のことに当てられますので、比較的ゆとりのある学校生活を送ることができます。
中高一貫校のデメリット
デメリットは、メリットの裏返しになりますが、「6年間環境が変わらない」という点にあります。入った学校とお子さまの相性がよければ何も問題はないのですが、たとえば友達づきあいがうまくいかなかったりすると、その環境が6年間続くことになってしまうので、お子さまにとっては苦しい環境になってしまうでしょう。
また「高校受験」というある種の「節目」となるイベントがないため、気を付けないと「中だるみ」してしまう危険性があることにも注意が必要です。せっかくゆとりある中高一貫校に入ったので、詰め込み型の勉強をさせることまではしなくてよいかもしれませんが、中高一貫校だからこそ、お子さまの成績に目を配って、ちゃんと勉強「も」やれているかどうかを見てあげたほうがよいかもしれません。
代表的な中高一貫校とその偏差値
桜蔭中学校
東京都にある私立の中高一貫校で偏差値は75。東京大学への進学者数が多いことでも有名な名門女子校です。
東京都立小石川中等教育学校
東京都にある公立の中高一貫校で偏差値は68。「小石川教養主義」に基づく教育で有名な学校です。
神戸大学附属中等教育学校
兵庫県にある国立の中高一貫校で、偏差値は72。その名の通り大学付属の学校となるため、そのまま進めば中・高・大と一貫した教育を受けることができます。
白百合学園中学校
東京都にある私立の中高一貫校で、偏差値は71。歴史ある学校で伝統を重んじ、規律に厳しいことでも有名な名門女子高です。
渋谷教育学園渋谷中学校
東京都にある私立の中高一貫校で、偏差値は70。渋谷女子高等学校から1996年に共学の中高一貫校へと変貌を遂げた、新設の中高一貫校です。
中高一貫校については様々な学校がありますが、いろいろな調査において、難関大学の合格率の上位を中高一貫校が占めることも事実です。教育方針ももちろんそうですが、学力が近しい生徒が互いに切磋琢磨して勉強をしていくことで、おのずと学力も上がっていくのかもしれません。
もちろん、先に記した通り、メリットもあればデメリットもありますので、一概に中高一貫校がいいです、とは言うことはできませんが、数もかなり増えてきているので、選択肢の一つとして考えてみてもよいのではないでしょうか。
※参考:http://www.chu-shigaku.com/list/t_public/popular_1.html
※記事元:ダイヤモンド、東洋経済、文科省