中学入試の国語問題対策 答えを脚色しすぎる小3の子どもの指導法とは

中学入試の国語問題対策 答えを脚色しすぎる小3の子どもの指導法とは国語の解答を作成する際、問題文にないことまで書いてしまう子どもに悩んでいるという保護者。どのようにすれば、正解に導くことができるのだろうか。平山入試研究所の小泉浩明氏に教え方をアドバイスしてもらった。

 

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【質問】
国語の問題で、脚色しすぎた解答を書いてしまうため不正解になってしまいます。どのように指導すると改善し、正解ができるようになるでしょうか?(小学3女子の保護者)

 

【小泉氏のアドバイス】
試験問題を解く時には、本文を根拠にした客観的な思考が必要になります。やはり主観的・客観的という2つの視点を、必要に応じてバランスよく持つことが大切なのです。客観的なものの見方の練習には、人や風景が写っている写真か絵を用意して、それを客観的に説明させるのが効果的です。たとえば、女の子とそのお母さんが手をつないで、桜が舞い散る午後の道を歩いている写真があるとします。二人とも楽しそうにニコニコ笑っています。女の子は背中に新品のランドセルを背負っているし、2人ともよそ行きのワンピース姿。桜の時期ということからも、入学式からの帰りなのかもしれません。ということは、この写真はお父さんが前から写したものでしょうか。

 

さて、こうした写真の見方は言うまでもなく主観的なものです。この写真を客観的に説明してみると次のような違いが出てきます。まず、この2人は「女の子と大人の女性」であって親子とは断言できません。また、「笑っている」という描写はよいでしょうが、「楽しそうに」はあくまで主観的なものです。さらに、着ているものがワンピースなのはよいとしても、よそ行きかどうかは断定しづらいところです。ましてや、新品のランドセル、桜が舞い散っているなどから「入学式」と断定することはできないでしょう。もちろん、写真が「お父さんが前から写したもの」などは論外です。客観的に物事を判断するということは、何かとても味気なくなってしまうようですが、どこまでが客観的でどこまでが主観的なのか、その違いを意識させることが重要なのだと思います。

 

出典:脚色しすぎた解答を書いてしまうため、不正解になってしまいます[中学受験] -ベネッセ教育情報サイト

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