小4生の中学受験準備 最重要課題は「知りたい」気持ちを育むこと
中学受験を目指しているとはいえ、小学4年生の子どもたちにとって入試はまだ先のことだという感じがするもの。この時期、どのようにして我が子に目的意識を持たせ、やる気にさせればよいのか悩む保護者も多いのではないだろうか。4年生の目標と実践課題について、森上教育研究所の森上展安氏に伺った。
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まず、中学受験における「目標」について考えてみましょう。目標といえば大人は「志望校」を思い浮かべますが、子どもは学校に対して具体的なイメージを持つことはできません。そこで、目標は子どもが憧れる「人物」に置くとよいのです。まんがの偉人伝や、著名人を紹介するドキュメンタリー番組を見るなどして「人」に興味を持たせ、「あんなふうになりたい」と夢を膨らませてあげてください。
偉人伝では必ず、試行錯誤やブレイクスルーの瞬間が描かれます。憧れの人の努力や着眼点を知ることは、「夢をかなえるにはどんなことが必要か」を考えるきっかけとなります。その夢に近付く手段として「志望校」を選びましょう。
また、4年生では「知る」楽しさを味わうことを実践してください。近年の中学入試は思考力を問う記述問題が増える傾向にあるため、思考力の下地となる知的好奇心を育むことが大切です。保護者のかたは、子どもが「好き」「おもしろい」と思える入り口を用意しましょう。いつでも手にとれるように図鑑、辞書、地図などを用意し、できれば毎週、博物館や動物園、美術館、自然観察などのフィールドワークに連れ出して幅広い興味を育んであげましょう。
フィールドワークなどは「おもしろがるだけで頭に残らないのでは」と気になるかたもいらっしゃるでしょうが、この時期は本当に「遊び」でいいのです。5、6年生になると難しくなる勉強を乗り越えるために必要なのが、「知る」「考える」楽しさです。保護者のかたにはぜひ、「おもしろがってさえいれば将来伸びる」と割り切っていただきたいと思います。
出典:1年間の目標と実践課題を定める[中学受験 4年生] -ベネッセ教育情報サイト