科学者 中村修二さんから進級したキミへ

科学者の中村修二さんに、中学時代のバレーボール部の経験から得たことや、自分で考えるクセの大切さなど、今、中学生に伝えたいメッセージを伺ってきました。

科学者 中村修二さん
「自分で考えること」それが自分の自信になりました。


算数が好きで、考えることが好きでした

 最初に算数が好きと感じたのは、父に算数を教えてもらったとき。問題を解けたことがうれしくて、どんどん好きになっていきました。中学の時も数学とか物理とかが好きでした。実験が大好きで。逆に、暗記だけの勉強は大嫌いでした(笑)。

 

自分で突き詰めて考えるのが好きでした。だから、発明や開発につながったのかもしれないですね。

 

 

バレーボール部が教えてくれた「苦労して考えること」

 中学の時、バレーボール部でした。毎日、厳しい練習をするけど、一向に勝てない。「こんちきしょう」という悔しい気持ちをバネに「どうしたら勝てるのか」ということを必死に考え、がんばりました。結局、中学時代に勝てた記憶はないのですが、中学時代の苦労ほどのことはないと、今でも思います。そして、その苦労のおかげで、「考える力」が身につきました。

 

 

つまずきこそ、チャンスになる

 今つまずきを感じているのならば、それを「チャンス」ととらえてもいいと思います。「なぜ自分はそうなっているのか」「さらによくするには?」と自分で考えるチャンスなのです。長い目で見ると、今、苦労している人はラッキーだと思います。人生は上がったり下がったりのくり返し。上がっている時は考えないけど、下がっている時には考える。だから、下がっている時も大切なのです。


わたしは、自分で考えるクセっていうのが大切だと思います。スポーツでもなんでもいいのです。今の中学生には、トクイでないものを経験し、考える力を培って自信につなげていってほしいですね。

 


青色発光ダイオードの発明で2014年ノーベル物理学賞を受賞。
写真:Splash/アフロ


プロフィール



1954年5月22日生まれ。愛媛県出身。大学院卒業後、化学系の会社に就職。現在は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校教授。赤崎勇氏、天野浩氏と共同で青色発光ダイオードを発明・開発し、2014年にノーベル物理学賞を受賞する。

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