苦手克服はほどほどに 子どもの「得意」を見極めて伸ばすコツ

苦手克服はほどほどに 子どもの「得意」を見極めて伸ばすコツ人によっては中学受験が具体的に視野に入ってくる小学5年生という時期。今、取り組んでおくべきこととは何か? 中学受験のプロ、森上教育研究所の森上展安氏がアドバイスする。

 

***

 

中学受験において、苦手をつくらないことは重要です。難関校の受験を視野に入れた場合、全教科得意とはいかなくても、せめて「食わず嫌い」はなくしておく必要があります。しかし、保護者が苦手克服ばかりに気をとられていると、子どもとしては「イヤなものを押し付けられている」という意識を抱きがちになります。
この時期はぜひ、お子さまの「得意」に注目してみてください。

 

5年生は、認知能力の特性がはっきりしてくる時期です。コミュニケーション力に深く関係している能力として、視覚、聴覚、言語能力の3つがあります。この3つにも、得意不得意があるのです。
たとえば視覚が優位な場合、写真を撮るように、映像をそのまま記憶することが得意。ものを考える時も、頭の中で、言葉より映像を操っているといいます。聴覚が優位な人は、耳から聞いたことはよく頭に入ります。町で流れている歌や、CMのフレーズなどをすぐ覚えられる人はこのタイプ。言語能力が優れた人は、文章から情景を思い浮かべたり、体験したことを文章化するのが得意です。

 

保護者のかたがお子さまを見ていて、どうもこの子は視覚優位で、見て理解するほうが得意だなと思ったら、文章を読ませるより、絵や写真を見せたり、図を描いて説明したりするほうがよく理解できるかもしれません。聴覚優位ならば、文章は黙読させるより、読み聞かせや読み合わせするとよく理解できる傾向があります。言語優位で本や作文が好きならば、勉強と関係があるなしにかかわらず、どんどん読んだり書いたりすることをすすめてください。

 

また、視覚優位の場合、一気に全体像をとらえて理解するのは得意だけれど、言葉にするのは苦手なケースがあります。一方、聴覚優位の場合、細部を順々にとらえて、全体像をゆっくりと理解していくのが得意なようです。これらは認知の仕方の特徴であって、どちらが優れているとはいえません。
認知能力は、得意な面を伸ばしてあげることが大切です。得意な認知方法を知って、それを生かせれば、勉強が非常に楽になります。お子さまの物の見方、考え方の特性をよく観察してみてください。

 

出典:得意をつくる![中学受験 5年生] -ベネッセ教育情報サイト

プロフィール



「ベネッセ教育情報サイト」は、子育て・教育・受験情報の最新ニュースをお届けするベネッセの総合情報サイトです。
役立つノウハウから業界の最新動向、読み物コラムまで豊富なコンテンツを配信しております。

子育て・教育Q&A