ほめて励ます……女の子を伸ばすコツ[中学受験]

いまや共学の時代。男女別学が特徴だった私立学校も少子化のマーケット事情に耐えて生き残るべく共学に移行するというところが年々増加している。
共学でもかつての都立高校のように(今でもそのきらいがあるが)男子生徒の実績優位(女子に対して)の状況とはどうも違うようだ。

前回は明治学園(福岡)のすばらしい男子生徒の伸ばし方について触れたのだが、実はそこは小・中・高と別学制で高3だけ男女混合クラスになる。その背景があるので男子だけの伸ばし方が可能になったのだ。

一方で、通常共学校というと、日本の場合混合クラスがほとんどのため、男子や女子の特有の良さを生かした指導は実際はなかなか難しい。そこで、鴎友学園女子(東京)では、女子校としては女子特有の伸ばし方はありはしないか、ということで女子の能力の一層の伸ばし方を学園が取り組む課題としているように清水校長から伺ったことがある。

最近聞き知ったのだが、やはり医学部合格実績を大きく伸ばしている金蘭千里(大阪)では、男女比を2:1から1:1まで5年ほどかけて段々に女子の比率を上昇させていき、難関大学合格実績を上昇させていることである。

まさに女子の能力を伸ばすことに成功しているのである。そこで筆者は前回ご紹介した元開成高校の先生の「女の子の伸ばし方は違います」というコメントを思い出していた。開成を離れたあと、この10年くらい女子高校生の多い現役予備校で指導に当たっているその先生は、「女子を伸ばすコツは男子のように叱るのでは全く効果がなく、丁寧に手順を踏んで指導して、その都度ほめて励ますのが一番だ」というのである。

早速、金蘭千里の校長先生にその話をしたところ、そのとおりという表情をされて、皆さまがご家庭で奥さまに接する態度と同じことだと思ってください、とのことだった。それはそのとおりで胸に手を当ててみると、ゆめゆめ我が妻に向かって「こんなこともできないのか」などと口走ってはならないことは即座に了解できた。確かに女の子は規範に忠実で自分に厳しいという性向が強い。その努力を正当に評価し、君ならできる、とささやき続けるマメさが指導者に求められるのであろう。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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