中学生の親必見!通知表の成績はこうして決まる

 小学校とは違って、中学校では定期テストがあり、教科も増えます。そして中学校の通知表でつけられた成績は、「調査書」または「報告書」として高校受験で合否を測る資料にもなります。気になる中学校の通知表について、進研ゼミ高校受験総合情報センターの浅野剛センター長が解説します。

 

 


47都道府県で絶対評価を導入

 中学校の通知表の評定(各教科の成績)は、小学校と同様、絶対評価によってつけられています。また、高校入試の選抜の際にも絶対評価による評定が使われています。

 

 自治体によっては二学期制の中学校もあります。二学期制の場合、10月に前期の通知表が、3月に後期の通知表が渡されます。二学期制のメリットは、定期テストの回数を減らして、日常の授業の時間を確保できることです。しかし、夏休みと冬休みの前に通知表が出ないことに抵抗感を持つ保護者のかたも多いようです。

 

 

観点別学習状況と評定

 通知表には、教科ごとに観点別学習状況と評定がつけられています。

 

 観点別学習状況とは、学力を単なる知識の量としてとらえるのではなく、生徒の長所を伸ばし、総合的な生きる力を育んでいくことをねらいとする評価方法です。

 

 一例として神奈川県の調査書を挙げると、各教科に4つの観点(国語のみ5つの観点)があります。たとえば、数学なら「数学への関心・意欲・態度」、「数学的な見方や考え方」、「数学的な技能(数学的な表現・処理)」、「数量や図形などについての知識・理解」となり、美術なら「美術への関心・意欲・態度」、「発想や構想の能力」、「創造的な技能」、「鑑賞の能力」となります。教科によって観点は異なりますが、すべての教科において「関心・意欲・態度」という観点があるのが特徴です。「関心・意欲・態度」は、他の観点にあるさまざまな能力を高めるための重要な観点といえます。各観点はそれぞれA・B・Cの3段階で評価され、これらを総括して、評定1〜5が決められます。

 

 

何を評価されるのか?

 評価に用いる資料は、定期テストの結果を始め、授業中の活動や宿題、ノート提出、作品提出などの提出物、実技テストやプレゼンテーション(発表)など多岐に亘ります。

 

 たとえば美術で絵の提出物があったとします。絵が苦手な子は「こんな下手な絵を提出したら、悪い点数をつけられてしまう。だったら提出しないほうがいい」と考えるかもしれませんが、未提出ではそもそも評価できないわけですから、この活動についてはほとんど得点が期待できないことになります。多少極端かもしれませんが、本来5の生徒が4に、4の生徒が3に下がるぐらい、評価が変わることもありえます。

 

 また、授業中の私語が多い、時間を守らない、忘れ物が多いなどもマイナスになります。特に実技教科の場合には、技能の評価ばかりに目が行きがちですが、、こういった基本動作を徹底し、意欲的・積極的に取り組むことが大切です。

 

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