第二志望校の決め方 [中学受験 6年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。6年生の「第二志望校の決め方」について取り上げます



■「後伸び」させてくれる学校を選ぶ

第二志望校は、お子さまが実際に通う可能性の高い「本命」の学校だといえます。ですからこの時期、第二志望校をいかに選ぶかが、非常に大切になってきます。
第一志望校の入試に不合格になって第二志望校に通うことになった場合、どなたも「失敗した」という思いを当然を当然抱くと思います。しかし、「第一志望校に合格する」ことは、最終目標ではありません。まずはそこで楽しい学校生活を送れなくては意味がありませんし、大学、将来の夢など、遠い目標もあるはずです。がんばって第一志望校に合格したものの、勉強に付いていけないといったケースも少なからずある一方、第二志望校だったけれど、成績も上位を保ちながらのびのびと学ぶことができ、結果的に目標の大学にも無理なく入れたというかたも数多くいらっしゃいます。
ですから、第二志望校は「失敗した時の安全策」ではなく、遠い目標への現実的なアプローチと考え、「入学後に伸ばしてくれそうな学校」という視点で選ぶことが大切です。



■子どもとの相性、どう見極める?

第二志望校は、学力的には、受験直前の合格可能性が8割程度のところを選ぶと安心です。合格可能性はこれから伸びていきますので、今の時点では6、7割でも大丈夫でしょう。
いちばん大事なのは、ご本人や保護者のかたが「好き」と感じる学校を選ぶということです。誠実で信頼できる先生がいる、よいクラブ活動がある、雰囲気がよくてお子さまにすぐ友達ができそう、など。校風や雰囲気は、学校説明会だけではなかなかわからない面がありますので、知人のお子さまが通っていて、直接話を聞けるなど、何かしら「ご縁」のある学校だと安心です。
超有名校でなくても、よい進学実績を出している学校は数多くあります。また、近年、中高一貫校と大学の連携が進んでいます。この傾向は、今後ますます進むと考えられますので、大学への推薦枠や海外大学との提携についても調べておくとよいでしょう。



■公立中高一貫校を第一志望校とする場合

公立中高一貫校は、非常に倍率が高い学校が多く、合格可能性が読みにくいので、第二志望校として選択するには注意が必要です。
近年、私立でも、公立中高一貫校と同じような適性検査を行うところが増えています。また、特待生制度を採用している私立も多く、入試でよい成績をとれば学費が無料というところもあります。適性検査対策が役立ち、無理なく受けられる学校を選ぶのがおすすめです。



■「基礎力」をベースキャンプに

第二志望校への対策をしっかり行うと、学習面でもよいことがあります。難関校の入試問題の多くはユニークで、ひと筋縄ではいかない難問もよく出ますが、中堅校の問題は、そのほとんどが基礎的な学力を見る問題です。基礎力をしっかり固めると、難関校の合格可能性も上がりますし、難問に挑戦するための足場ともなるのです。8合目にベースキャンプを構えて、頂上をめざすといったイメージでしょうか。

入試の山場は2月1日~3日です。近年は、午後2時ごろから試験を開始する「午後入試」を採用する中堅校も増えていますので、それらもうまく利用してスケジュールを立ててください。具体的なスケジュールが決まると、子どもたちにもそろそろ本腰で入試に取り組む態勢が整ってきます。体調管理に注意しながら、お子さまの挑戦を見守ってあげてください。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

子育て・教育Q&A