どうする? 第一志望校の最終決定 [中学受験 6年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。6年生を対象に、志望校の最終決定について取り上げます。



どどうする? 第一志望校の最終決定 [中学受験 6年生]


■模試と過去問で第一志望までの距離をはかる

模試や合格可能性判定テストのほとんどは、12月が最終回となります。11月模試の結果が出る11月末は、最も悩ましい時期ですね。模試の結果が思わしくなく、「第一志望校を変えるべきだろうか」と迷っていらっしゃるかたも多いと思います。

技術的に数字で言えば、第一志望校は合格確率が50%程度のところを目指してください。合格確率55%から60%が、合格者がいちばん多い層です。50%であれば、1月までに対策すれば、合格する可能性が高くなります。次に、過去問題を全教科解いて、合格者平均点に達しているか教科ごとにチェックします。全教科で平均に達していれば問題ありませんが、合格確率50%の場合、どこかの教科で合格者平均点をとれていないはずです。どの教科のどんな問題で点数を落としているかを分析し、それを1月までに克服できるか、または他の科目でカバーできるかどうかのめどを付けてください。

そのめどが立たない場合、第一志望校はかなりのチャレンジということになりますので、第二志望校を本命として、きっちりと受験対策をする覚悟をしていただきたいと思います。第一志望校は基本的に変えなくてかまいませんが、第二志望校について本気で考える必要があるということです。



■自分らしい「本命」選びをするために

11月~12月中に、数多くの学校が学校説明会や見学会を開いています。第二志望校を決める際は、必ず一度はお子さまと一緒に見学に行ってください。お子さまが自分らしさをのびのびと発揮でき、お子さまの得意分野を伸ばしてくれそうなところ、という観点で選ぶのが一番です。入学時の偏差値と、その学校の底力は必ずしも同じではありません。たとえばサイエンス教育に力を入れていて、素晴らしい教師陣をそろえているとか、外国語教育が盛んで海外の大学と密接な交流があるなど、特色ある学校もあります。また、卒業後の進路にも学校によってカラーがあります。たとえばMARCHや早慶合格者が多い、国公立対策に力を入れている、文系は強いが理系への進学者は少ないなど。気になる点については、学校説明会でぜひ率直な質問をぶつけてください。受験校最終決定直前の時期ですから、学校側も熱心に説明してくれると思います。「自分は〇〇が好きだからここを選んだ」とお子さまが胸を張って言えるような学校を見つけることが大切です。



■受験スケジュールを考える

中学受験の機会は、2月1日・2日・3日、それにどこかで午後入試を1回受けるとすると4回あります。1校でも合格をとれると、お子さまも安心しますから、チャレンジ校、本命校のバランスはよく考えて日程を組む必要があります。傾向がつかめて受かりやすくなるので、大好きな学校を3回受けるというかたも意外に数多くいますね。ただし、その場合も午後入試を利用し、必ず1回は別の学校を受験するようにしてください。



■皆がボーダーライン上にいる

受験直前になると、しだいに合格可能性の数字ばかりが気になってくるかたが多いと思います。しかし、その学校を受けにくる子どもたちの間に、学力の差はさほどないというのが現実です。ミスをなくせばすぐに55%を越えたりもしますし、その逆もあります。受験者は皆、ボーダーライン上にいるわけです。たとえ失敗しても、得点技術だけの問題かもしれず、「実力がなかった」ということにはなりません。
この時期、「第一志望校以外考えられない」「それなのに結果がついてこない」といった保護者のかたの焦りは禁物です。大人の切羽詰まった気持ちは、子どもを不安にさせてしまいます。お子さまが「ここなら好きな学校だし、合格できそう」「もう少しがんばってみよう」と思えるよう、まずは保護者のかたが肩の力を抜いてみてください。冬の追い込みに向けて大切なのは、あえて「楽天的に構える」ことかもしれません。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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