成績を伸ばす時間の使い方 [中学受験 5年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。5年生2学期の、時間管理法について取り上げます。



■「勉強時間」ではなく「意欲」を持続させるには

2学期後半は、5年生にとって非常に忙しい時期です。学習内容が難しいうえ、学校行事も多いため、時間の使い方がとても重要になります。
いちばん大事なのは、勉強時間の長さではなく、「意欲を持続させる」ことです。「何時までに、ここまでやる」と適切な量をお子さまと一緒に決めてあげて、終わりしだいぱっと切り上げるか、別の教科に切り替えるようにしてください。勉強は1時間もやれば絶対に飽きてしまいますから、できれば30分程度で別の内容に切り替えられるよう、上手にタイムキーパーをしてあげましょう。おやつタイムを挟む、予定をこなせたらシールを貼るなど、やる気が続くようさまざまな工夫をしてあげてください。

避けたいのは、予定の内容が終わらないからと、時間を引き延ばすこと。「○時まで勉強したら、そのあとは遊べる」と思えばやる気も出ますが、いつまでも勉強が終わらないというのは、子どもにとって苦痛でしかありません。「嫌だなあ」と思いながら机の前に座っているだけの時間は、まったくの無駄になってしまいます。

ですから、決めた時間内に予定の内容が終わらなければ、内容が多すぎたととらえ、スケジュールを見直すようにしてください。そのうち、「30分なら、この子はここまでできるだろうな」と勘が働くようになると思います。お子さまのほうも、成長につれてできることが増えていきますので、焦るのは逆効果です。時間は引っ張らない、内容は欲張らないこと。一日の学習のあと、「今日はよくがんばったな」「明日もまたやろう」とお子さまが思えれば理想的です。



■苦手教科の時間の使い方

勉強している割に成績が伸びない場合は、各教科の勉強時間を見直すべきかもしれません。「苦手な教科」=「勉強していない教科」という場合が意外に多いのです。
算数は、勉強しないと苦手になるという意識が強いかたが多いため、皆、比較的よく勉強します。一方、国語は「日本語なのでやらなくてもわかるから」、理科・社会は「興味がないから」「面倒だから」とあまり勉強しない。その結果、よい成績がとれないというケースが多いのです。苦手な教科に時間を使うことが、成績を上げる早道です。


●算数が苦手な場合
1日10分~15分ずつ、苦手な単元の基本問題に絞って、なるべく毎日取り組む。
時間を使いすぎないことが大切です。

●国語が苦手な場合
まず「指示語」「接続語」の問題の解き方を、週に数回、30分~1時間程度使って取り組む。
問題文は内容が易しく、短いもの。説明文なら、その子の興味のある分野を扱ったものを選ぶ。

●理科・社会が苦手な場合
塾では毎週学ぶ単元が変わるため、興味がついていかず、苦手になるケースが多い。興味関心は一つのことから発達するので、同じ単元の理解に数週間かけてもかまわない。たとえば「月の満ち欠け」について、図などを使って子どもに説明してもらう「ショウ&テル(show&tell)」という学習法は、苦手克服に非常に役立つ。
学習しきれなかった単元はマークしておき、長期休暇中にまとめて取り組む。



■勉強に集中できる環境づくりを

この時期は、お子さまがやる気と集中力を持って、勉強に取り組める時間・環境をいかにつくるかが勝負といえます。保護者がつかず離れず見守り、タイムキーパー役ができるリビングや、監督者がいる塾の自習室などは、子どもが集中しやすい環境です。
5年生の子どもたちは、ほとんどが既に思春期の入り口に立っていますが、保護者との一体感もまだ味わっていたい時期です。保護者のかたが「見守ってくれている」環境の中で、「自分から勉強をやっている」--そんな感覚で勉強できれば理想的ですね。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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