算数「場合の数」[中学受験]

数字の組み合わせの条件をふまえて「この場合は、答えが何通りあるか」を求める問題や、今回【問題4】で取り上げるように、ある地点から目的地まで行くのに「道順は何通りあるか」を問う問題などが多く出題されています。
慣れないうちはむずかしく感じるかもしれませんが、あわてず、じっくりと取り組むことで、考え方・解き方を身につけることができます。オリジナル問題から実際の入試問題まで、今回もツカム先生がていねいに解説していきます。理解を深めて、得意単元を増やしていきましょう。



■算数「場合の数」

今回は「場合の数」です。この単元はどちらかというと「筋道(すじみち)を立てて考える」単元だと思います。
図形などの単元は「ヒラメいた!」…という算数のセンスがいるかもしれません。
でも、「場合の数」はていねいに筋道を立てて考えていきます。
だから、しっかりと基本を身につけること。「樹形図(じゅけいず)」は必ずかくようにしてくださいね。
では、さっそく問題にいってみましょう。


問題1
「0」「2」「3」「4」と書かれた4種類のカードがたくさんあります。
以下の問いに答えましょう。

(1)3枚(まい)並べて3けたの整数をつくります。整数は全部で何通りできますか?
(2)4枚並べて4けたの整数をつくります。そのときの4の倍数は全部で何通りできますか?
(ツカム先生 オリジナル問題)
<問題1(1)の考え方と答え>
それでは、「場合の数」に取り組んでいくうえで、とっても基本的な考え方、「樹形図(じゅけいず)」をかいていきましょう。

百の位には、2、3、4の3通りの並べ方があります。

百の位が2のときの十の位と、一の位を樹形図にかいてみます。

図

百の位が3、4のときも同じようにかけるので、

   16 × 3 = 48(通り)
(答え) 48通り
<問題1(2)の考え方と答え>
「4の倍数の特ちょう」は何でしたか?

そうですね。「数字の下2けたが、4の倍数か00」であればよかったですね。
(他の倍数の特ちょうも、しっかり復習しておいてね)

0、2、3、4の4種類のカードの組み合わせでつくれる下2けたの4の倍数は、

   00  04  20  24  32  40  44  の7通りですね。

では、下2けたが7つ決まったので、樹形図をかきます。

「下2けた」→「百の位」→「千の位」と逆にかきますよ。

図

千の位は「0」にならないことに注意してね。
それぞれが、

   4 × 3 = 12(通り) あるので、全部で、

   12 × 7 = 84(通り)
(答え) 84通り

問題2
1から10までの番号が書かれたカードが1枚(まい)ずつあります。この10枚の中から何枚かを取り出したときに、それらの番号の合計が50になる組み合わせは何通りありますか。
(春日丘中 2007年)
<問題2の考え方と答え>
これは「逆転の発想」が必要ですね。

50になる選び方、
例えば、1、2、3、4、6、7、8、9、10と書き出していくと、これでも正解は導けますが、時間がかかって、ちょっと大変ですね。

そうじゃなくって、
「どれを選んだら50になるのか?」…と考えないで、
「どれを選ばなければ50になるのか?」…を考えればいいですね。

1から10までをたすと「55」になりますよね。

だから、選んだ数が「50」になるには、合計が「5」になるカードを選ばなければよい、ということになります。

合計が「5」になるカードの組み合わせは?

(5) (4、1) (3、2)  の3通りだけですね?
(答え) 3通り

プロフィール



大人気メールマガジン「コロンブス的・超発想で中学受験を成功させる方法」の発行人で、中学受験カウンセラー。メルマガは殿堂入りを果たす。理科・替え歌暗記法のCD『愛のメモリーTM』も作成。

子育て・教育Q&A