東大に入るお金と時間の使い方を、東大理三に子4人を合格させた母親に聞いてみた

4人のお子さんを東大理Ⅲに合格させた経験から多くの著書を執筆し講演などでもご活躍されている“佐藤ママ”こと佐藤亮子さん。新刊『東大理三に3男1女を合格させた母親が教える 東大に入るお金と時間の使い方』(ダイヤモンド社)発売を記念して、詳しくお話を伺いました。まずは、お稽古事、未就学児の教育、低学年のうちにすべきことなど、気になる子育て&教育のことから! 

この記事のポイント

お稽古事は低学年のうちにゴール設定をしておくこと!

__「3歳までにお金と時間を使うとラクになる」とのことですが、あれもこれもやらせたくなってしまう親御さんも多いと思います。佐藤さんが思う「やりすぎ」の基準とは?

最近のお母さんたちはとにかく「先取り」をしなければということを考える傾向にあります。たとえばお稽古事をするにしても、子どもの先行きが心配なのでいろいろと増やしてしましがちです。特に一人っ子の場合、親はずっと子どもにつきあって遊ぶのが大変だから数を増やしてしまう傾向もあります。1週間に8個のお稽古事ということもありますが、それはさすがに多いですよね。子どももお友達と会えて楽しいので、尋ねてみると楽しいと答えますが、それを鵜呑みにしてはいけません。やりすぎかどうかは、やはり子どもの表情をよく観察することです。
何をしても1年目は目新しいので楽しいのです。重要なのは内容がレベルアップする2年目以降です。2年目以降になると次第に努力したりトレーニングをやらなければならなくなるので、親も子も精神的な負担が増してきます。「行きたくない」と言われたら子どもなりの嫌な理由があると考えましょう。子どもはまだ自分でストレスを判断できません。疲れていないか、笑顔が消えていないかをチェックしてあげてください。そのためには、預けるだけではなく定期的に様子を見に行く必要があると思います。

お稽古事は学習、運動、芸術のバランスが大事ですが、最終的にどれを重点的にするかといえば多くの方は学習ですよね。うちの子たちは上3人は小4から受験塾に通い始めたので、習っていたバイオリンと水泳は4年で辞めました。子どもたちには、「塾をいい加減にすることはできないから」と、低学年のうちに伝えておきました。水泳はゴールを「4種目メドレーができる」と決めていたので終わる時期は多少4人で異なりましたが、お稽古事のゴールを設定することは大事だと思います。

お稽古事は辞め時が難しかったり、他の子の進み具合がうらやましく思えたりすることもあると思いますが、目先の結果を気にすること、他の子と比べることは決してしてはいけないことです。その先に中学受験を控えているならなおさら。お稽古事の扱いも母親の判断力が非常に重要になります

お稽古ごとは目先のことではなく、将来に向けて方針を決めることが大切

3歳までは日本語をたくさん体の中に入れて思索ができる子に。

__シュタイナー教育、モンテッソーリなどの子どもの自由な発想を伸ばす教育法に関してはどのように考えていらっしゃいますか?

長男が生まれた時にこのような教育法も調べました。面白いなあと最初は思ったのですけどね、結論として私は“日本の社会に合う子に育てよう”となりました。
たとえばあるモンテッソーリ教育の本に「7歳までは夢の中(自由を大切に。7歳までは字などは教えないという意味)」というフレーズがあったんですけど、7歳なんていっても子どもはもっと早く自分で字を読みたくなるし、日本では小学校も始まる年ですよ。これは日本の教育制度には合わないなと判断したんです。ですから、我が家では3歳までに1万冊の絵本を読みました。自由の解釈も色々あると思うんですけど、私はひらがな(基礎学力)があればもっと自由にものが考えられるから、より高く羽ばたけるという考えです。3歳までに「たくさんの言葉を体の中にできるだけ入れること」を意識し、次に「正しく書くお作法を身につける」ことを心がけました。

フランス他欧米ではモンテッソーリやシュタイナーの発想が根付いていますよね。自由で論理的思考が主流な国。でもここは日本ですから、まずは日本語ベースでしっかりと考えられないと外国語は入ってこないと考えています。生まれたところできちっと育てて思想を養うこと。日本人はもっと自分の国に自信を持つべきだと思います。

低学年での「基礎学力の完成度の高さ」が受験時の偏差値に表れる

__一般的に塾が始まる3~4年生までに、「これだけはやらせておいたほうが良い」ということがあったら教えてください。

なんといってもまず「学習習慣の定着」だと思います。最初は長くは続きませんから15分ごとに科目を変えるやり方でいいのです。次に大事なのは「丁寧にやる」こと。1年生でひらがなを習いますが、なんとなくそれらしいものが書けたらOKじゃないんです! ひらがなの形の完成度、つまりどこの点と線が交わるかまで意識して書かせないとダメなのです。心を込めて字や数字を書くってすごく大切なことなのですが、基本子どもは時間をかけるのが大嫌い。だからこそ、そのこだわりや丁寧さが、のちの12歳・15歳でやってくる受験時の偏差値に表れてくるのです。字や数字が丁寧な子は大きくなってもいい加減な学習をしませんが、計算が苦手で遅い、字が汚い子は塾でもいい点がとれませんよ。

基礎学力のベースは「学習習慣」と「丁寧にやること」。

先取りが必要なのは子どもではなく親の方!

__「あらゆる教育を1歩先に始める」とのことですが、佐藤さんのように教師の経験や教育に詳しくない親御さんの場合は、何を基準に進めていけばいいでしょうか?

私自身は中学受験も経験していませんし、教師も2年間だけですから、多くのお母さんと経験は全く変わらないと思います。それで、長男が0歳当時(1991年)の小学生の学習内容を把握したいと思い、1年から6年までの教科書を全科目取り寄せて見てみました。当時はゆとり教育の名残で教科書はペラペラ。こんなに薄くて大丈夫かなと思うほどで、しかも音楽の教科書を見てみると、有名な童謡がことごとく消えているのです。これでは、学校だけに任せるのはまずいなと不安になりました。

冒頭のお稽古事でも「先取り」の話をしましたが、実は先取りが必要なのは子どもじゃなくて親の方。特に0~6歳は先々どんな勉強をするのかを把握してほしいですね。子どもがこれから歩いていく道はどのような様子なのかはわかっておく必要があるでしょうね。

今の時代をどう生きるか、教育の向かう先を教科書から予想するのです。「分厚いな、絵が多いな」とか、「うちの子にできるかな」でもいいのです。まずはシミュレーションをすること。特に今は教育の変わり方が激しい時。昨年、2020年版の小学校の教科書を取り寄せたら、息子の頃と比べてすごくぶ厚くて情報やイラストも多いなという印象。今は何でもアクティブラーニングの手法で、みんなで話し合いましょうというスタンス。こんなに盛り沢山でやることが多いと「落ちこぼれさせてしまう教科書なのでは?」とも思ってしまいました。
もし取り寄せるハードルが高い場合は、ご自分の子どもの教科書にまずざっと目を通すこと、から始めてみてください。

よく学年より上の学習をさせる親御さんがいますが、私は入学までなら先取りはいいけれど、小学校以降は「その学年の完成度を上げればいい」と思っています。子どもは0~18歳まで成長し続けますから、先取りしすぎるとパンクする可能性があり危険です。今の学年の完成度をあげることに注力して常に先を見ていきましょう。

テストの結果ではなくテスト前までにどれだけ寄り添えるかが重要!

__わが子のテストの結果に一喜一憂してしまうママたちに、アドバイスをお願いします。

テスト結果にガミガミ言うのは、最も時間の無駄。今日のテストの50点を怒ったところで60点にはならないですよね。子どもにうろたえる姿を見せたり、右往左往しないのが親の役目です。もちろん次の日100点だったとしても喜んではいけません。親がテストの点数如きでコロコロ態度を変えるのはダメですね。わが子には徹底的に「お父さんお母さんは自分に寄り添ってくれている」と思わせることが大切だからです。子どもがこっそりと悪い点数のテストを捨てたりせず、気楽に「点数が悪かった〜」と言える親子関係になるために。
そのために何をすればいいかと言うと、テストの前までにしっかり寄り添えばいいんです。「範囲はどこ?苦手はどれ?」と復習したり、暗記を手伝ったり一緒に「これは出ると思う!」と山を掛けるのもいいでしょう。そのように親がテストにかかわると、テストの結果よりもどんな問題が出たかが気になるようになりますよね。「もっと漢字を復習させればよかった」など親も反省したりできますから、参加する気持ちを持つと親も楽しくなるのです。テストはミスをするもの。でも本番で致命的なミスをしないために、「反省を次にいかす」ということを繰り返していけばいいだけなのです。まず、点数が取りやすい普段の小テストから一緒に取り組んでみてください。

とってしまった点数のことについて小言を言うのはNG!

後半では佐藤家の生活や進路のことなどをお聞きしたいと思います。

まとめ & 実践 TIPS

お稽古事は低学年のうちにゴール(辞め時)設定をして勉強への導入をスムーズにさせること。3歳までは日本語を体の中に入れるためにたくさんの読み聞かせをし、親はひらがなの「完成度の高さ」にこだわること。また、先取りが必用なのは子どもではなく親の方!どれも目からウロコのエピソードでした。

取材・文:加藤朋美



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出典:『東大理三に3男1女を合格させた母親が教える 東大に入るお金と時間の使い方』(ダイヤモンド社)

プロフィール

佐藤亮子

佐藤亮子

奈良県在住。大分県で高校まで過ごし、津田塾大学へ進学。卒業後は私立高校の英語教師として2年勤務。結婚後、3男1女を出産し専業主婦へ。3兄弟は私立灘中・高等学校、長女は洛南附属中・高等学校に進学。大学受験では4人とも東京大学理科三類に合格した。現在は、進学中・浜学園のアドバイザーを務めながら、全国で公演を行っている。『東大理三に3男1女を合格させた母親が教える 東大に入るお金と時間の使い方』(ダイヤモンド社)など、著書も多数。
佐藤亮子オフィシャルブログ(https://profile.ameba.jp/ameba/ryokosato-todai/

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