夏休みには「オープンスクール」で志望校を研究 「オープンスクール」に行かせたい[高校受験]

■「オープンスクール」に行かせたい

 

 最近では、私立高校の多くが受験生を対象に授業見学や部活動体験をする機会を設けています。学校の生の姿、在校生の様子を知ってもらおうというわけです。普段はなかなか敷居が高いですから、この機会に志望校の中に入って、在校生・先生の姿を観察するといいでしょう。ぜひお子さまに行ってみるよう勧めてください。
 部活動体験などは予約がいることが一般的で、人気がある部活はすぐにいっぱいになってしまうので、早めに申し込むよう、促してください。

 参加する場合の注意点と有意義なものにするためのポイントを挙げておきましょう。

<授業>
 ・普段の授業がそのまま行われている時の見学のポイントは、どの授業も講義スタイルで一方通行の授業か、先生と生徒のやりとりが多い対話型の授業かどうか。
 ・先生と生徒のやりとりが明るく活発に行われているか。
 ・教科にもよるが、インプットだけでなく、書く力や発表する力を育てるアウトプットも重視する授業が行われているか。
 ・机に突っ伏している生徒、教科書やノートなど教材類を開いていない生徒がおらず、真剣に受けているか。
 ・カバンなどが乱雑に床に散らばっていたり、机の並び方が一定でなかったり、落ち着かない雰囲気になっていないか。
 ・模擬授業という場合は、その学校内で力のある先生がそれなりの準備をして行っていると判断したほうがよい。入学後の授業がみなそのレベルであると期待しすぎないことも大切。

<部活動>
 ・運動部の場合は、先輩たちのレベルを体で感じることが重要。自分はレギュラーになれそうか、レギュラーになれなくてもやっていけそうか、そうしたことまで意識しながら活動できそうか。
 ・上級生、下級生の関係はどうか。部活動ではこれがとても重要。自分がその中でやっていけそうか、それとも嫌悪を感じるか、そうしたことも肌で感じてくる。
 ・文化部でも、作品のレベルや活動実績などをチェックするとよい。
 ・また、同じ名称の部であっても、学校によってその活動ぶりはまったく違う。こうした機会を利用して体で知っておくと安心。

<その他>
 ・学校の中を見学している時には、先生と生徒のやりとりにも注目。先生が細かなことにも指示を出しているか、生徒が自主的にやっているか。また、先生と生徒の会話の口調からも先生と生徒の間柄がわかる。そうしたところからも校風がうかがえる。

 このように、オープンスクールは学校の様子、生徒のナマの姿に接することができる貴重な機会。目や耳を働かせてめいっぱい吸収してくるよう、話してください。
志望校のオープンスクールがいつ開催されるのかを知るためにも、志望校のホームページには時々アクセスする習慣を付けておくといいでしょう。

 


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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