「進学重点校」制度の広がりとは 「進学重点校」の指定は東京都で始まった[高校受験]
■「進学重点校」の指定は東京都で始まった
今回は近年の普通科高校のトレンドについてお話ししましょう。
公立高校では首都圏の一都三県を中心に、「特に大学進学に力を入れて指導する」という高校を指定する制度が広がっています。特定の学校を「大学進学に力を入れる学校」と位置付けたのは、東京都が2000年度に墨田川高校を「進学重視型単位制」に指定したのが始まりです。
それまでの公立高校にも差異はあったものの、公に特定の学校を別扱いするようなことはありませんでした。そこで、墨田川高校という学校で実験をして、こうしたことに対する、マスコミ、都民の反応を見たわけです。それが特に反発を呼ばないことがわかり、翌年、本命の施策を発表しました。
ここからは、都府県ごとに見ていきましょう。まず今回は、東京都の事例です。
<東京都の事例>
・2001年度 日比谷、戸山、西、八王子東を「進学指導重点校」に指定。
その後3校を追加指定。
日比谷、戸山、西、八王子東、(青山)、立川、国立
2012年6月には、2013年度から2017年度までの5年間、日比谷、西、国立、八王子東、戸山、立川の6校を引き続き「進学指導重点校」に指定することが発表されました。青山は在校生のための特例措置として2013年度・2014年度の2年間に限り指定するとしています。
「進学指導重点校」の入試では、英語・国語・数学は自校作成問題を使用しています。これまでは、文字どおり各校が自校で問題を作成していましたが、2014年度からはこのグループで作成することになりました。
・2007年度 5校を「進学指導特別推進校」に指定。
小山台、駒場、新宿、町田、国分寺
・2007年度 10校を新たに「進学指導推進校」に指定。
三田、(国際)、豊多摩、竹早、北園、墨田川、城東、小松川、武蔵野北、
小金井北、江北、江戸川、日野台、調布北
2010年度に江北以下の4校を追加指定。
2013年度から国際は「進学指導推進校」から昇格して、「進学指導特別推進校」に加わりました。
このほか、冒頭で挙げた「進学重視型単位制」としては、墨田川以外に、「進学指導特別推進校」にも指定されている新宿と国分寺の2校が指定されています。
墨田川、新宿、国分寺
このように、東京都ではたくさんの高校に段階を付けて指定したり、最近では指定の見直しをしたりすることまで行っています。