保護者にはなじみのないタイプの学校がある 「三者面談」を控えて考えておきたいこと[高校受験]
11月末から12月の初めにかけては、全国的に、中3生のご家庭を対象に担任の先生を含めた「三者面談」が行われる時期です。面談の前に、ご家庭では受験の方針を決めておかなければなりません。そこで今月は、受験校選びに関連するいくつかの要素についてお話ししましょう。
お子さまが挙げてくる学校の中に、保護者のかたの頃にはなかったタイプの学校もあると思いますので、まずそれについて簡単に説明しておきます。
■公立高校は統廃合が進む
少子化の進行で、中学校卒業生がどんどん減っています。ですから多くの都道府県で、統廃合によって高校の数自体が減っています。保護者のかたの中には、母校が違う校名の学校になってしまったというかたも、いらっしゃることと思います。
統合により新しく誕生した学校の多くは、保護者のかたが子どもの頃にはなかった、新しいタイプの学校になっています。
〇単位制
学年制では、各学年で履修する科目と単位が決められていて、単位を取得できなければ留年ということになります。留年をきっかけに中退してしまうケースが多いために、学年ごとに進級するのではなく、卒業までに必要単位74単位を取ればいいという仕組みにしたものです。
今では、学年の枠にとらわれず履修できるので、埼玉県立浦和高校、千葉県立東葛飾高校など進学校でも単位制にしているところもあります。
〇普通科タイプの専門学科
普通科には通学区域を設けることが決められているために(学区を撤廃する県も増えていますが)、学区を越えて優秀な生徒を集めるために、普通科高校があえて専門学科を設置するケースがあります。
京都府立堀川高校の人間探求科・自然探求科、京都府立嵯峨野高校の京都こすもす科、京都市立西京高校のエンタープライジング科、兵庫県立神戸高校の総合理学科などはそうした一例です。
〇総合学科
15歳ではなかなか進路を決められないため、普通科目から専門性の高い科目まで幅広くそろっている普通科と専門学科の性格をあわせ持つ総合学科も生まれています。多種多様な選択科目の中から、自分の興味・関心や進路希望に応じて選択し、自分の時間割をつくって学習できるのが大きな特色です。
なお、総合学科はほとんどが単位制です。校名が■■総合高校となっていれば、その多くは総合学科の高校と考えていいでしょう。
〇生徒の実態に合わせたタイプ
そのほか、中学校時代には学校生活になじめず、能力を十分発揮できなかった生徒を主な対象とする学校、中学校時代に不登校だった生徒を主な対象とする学校など、生徒の実態に合わせた学校もいろいろ誕生しています。
このように、公立高校にも現在は多種多様なタイプがあることを承知しておいてください。