面接にどう対処するか 「三者面談」を控えて考えておきたいこと[高校受験]

■「個人的恣意(しい)が働くのでは……」という心配をする必要はない

 2013年度から全員に面接を行うことになりました。しかも1000点満点中最低でも200点という比重です。ですから、神奈川の受験生・保護者は大げさに言えばパニックになっています。
 神奈川県だけではありません。東京都でも推薦入試において、全員に「集団討論」と「個人面接」を組み合わせて実施することになりました。

 なぜ今こうした動きが出てきているのでしょうか。 それは、2012年度から中学校で新学習指導要領が完全実施されているため、新しい学習指導要領で重視されているコミュニケーション能力や協調性、「思考力・判断力・表現力」を評価するために実施するのです。
 面接というと、面接官の個人的恣意で評価が大きく変動することを心配する受験生や保護者が大勢いますが、評価項目、採点は細かく決められていますので、個人的恣意が働くという心配はしなくていいでしょう。
 他都道府県の受験生・保護者のご参考のためにも、神奈川県における面接の評価の観点を挙げておきましょう。


 ■各校共通の評価の観点
  ・入学希望の理由
  ・中学校での教科等に対する学習意欲
  ・中学3年間での教科等以外の活動に対する意欲
 ■学校ごとの評価の観点(ある学校のケース)
  ・高校での教科・科目等に対する学習意欲
  ・高校での教科・科目等以外の活動に対する学習意欲
  ・将来の展望
  ・面接の態度


 このように評価の観点は細かく決められているので、漠然と印象で決まるようなことはないのです。
 また、都道府県によっては教育委員会のHPに「面接シート」の見本が公表されているところがあります。それを見て各観点に対してどう答えるか、事前に文章化するなどして練習しておきましょう。

■私立高校の面接で不合格になったケース

 公立高校ではありませんが、2012年度入試で、ある私立高校が面接で3人を不合格にしました。校長先生をよく知っている学校だったので、その理由を聞いてみました。不合格とされたのは、次の3つのケースでした。


・「我が校は生徒指導が厳しいほうですが、入学したら守れますか?」という質問に対し「自分は自由を大切に思っているので、守れるかどうかわかりません」と答えた受験生。

・まったく面接官の顔を見ようとしない受験生。

・「どうして我が校を志望したのですか?」という質問に対し、「親に言われたから受けました」と答えた受験生。この学校には入りたくないという態度が見え見えだったと言います。


 保護者からすると、いずれもなぜわざわざこんな態度を取るのかと思うようなケースですが、15歳くらいだと、いきがってこんな態度に出ることもあるようです。
 ですから、今のうちからごく自然に受験校のことを話題にし、話し方、態度などにも気を付けておくといいでしょう。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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