年の初めに考える「子育て」 第4回 学校、先生のせいにしない姿勢が大事[高校合格言コラム]
学校、先生のせいにしない姿勢が大事
前回は、親子の在り方についてお話ししました。今回は、保護者のかたの姿勢についてお話しします。
12月は中高一貫校で、「内部推薦判定会議」が行われる時期でした。そこで、親しい私学の校長先生から昨年末にいただいた挨拶のメールの中に、今年のこの会議での結果が記されていました。7名ほどの生徒が外部の高校に転出することを希望しているそうです。
2人は家庭の経済的事情で公立高校へ、3人は成績がよくないために、この学校より難易度の低い学校で出直したい、あとの2人はバラバラな理由でしたが、成績のよくない生徒の保護者が学校に言ってきたという内容にはビックリしました。「先生が、提出物が出ていないと言って、たびたび注意するので、子どもが学校を休むようになった、やる気をなくした」--私からすればごく当然の指導と思うことを、この保護者のかたは、子どもが学校を休むようになった原因だとしているのです。
2、3年前までは、子どもが提出物を出していなかったら、「なんでもっと早く先生が注意してくれなかったのですか」ということを言ってくる保護者のほうが多かったと思います。10年前だったら、子どもが提出物を出していなかったら、保護者のほうが監督不行き届きで謝ったものです。
今、日本全体がいろいろな場面で「他責社会」になっているように思いますが、学校でも急速に他責現象が進んでいるようです。が、こうした時こそ、子どもに「自分のほうに問題がある」ことをちゃんと意識させなかったら、子どもは甘えたままになるのではないでしょうか。社会人として通用しない人間になってしまうような危惧を覚えます。
これから入試、高校生活を迎えるわけですが、入試では残念な結果になることもありますし、高校に進んだら進んだで、つらいことや、困難なことにぶつかることもたくさんあると思います。そうした時に、それらを学校、先生など「他者の責任」にするのではなく、自分自身の責任としっかり受け止めさせてください。親としてぜひそう振る舞っていただきたいものです。きついようでも、そのほうが将来本人のためになるのですから。