【中学受験 対策】2012年度末には公債残高1000兆円超えも
借金大国といわれる日本。2012年度末には、国および地方の債務残高が1000兆円を超える見通しだという。今や、中学受験の時事問題対策として是非理解しておきたいキーワードの一つである国債について、ここで改めておさらいしてみよう。
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そもそも国債の新規発行額は、1990年度には約7兆円だった。しかし、1990年以降の景気低迷に加え、リーマンショックと呼ばれる世界的な金融危機などもあって税金による収入が減り、国債の新規発行額が増える傾向にある。
予算は、年度の初めに成立した後、実際のお金の使われ方などに応じて、年度内に補正を行う。通常、補正が行われるのは2回(2次補正)までだが、2011年度は、3月に発生した東日本大震災からの復興のための費用が必要となり、復興国債や復興応援国債が発行されたことなどから、通常よりも多い4回(4次補正)まで行われた。その結果、国債の新規発行額は約55兆円となった。
国債の新規発行が何年も続いた結果、積み重なった国債の残高は2011年度末で約675兆円に達した。そして、2012年度末の見込みでは、国債と地方債を合わせた公債の残高がついに1000兆円を超えるという予測が立てられているのだ。
ちなみに、2011年度の予算総額は、約106兆円。歳入について内訳を見ると、国債による収入が約55兆円で約5割を占めている。税金による収入は4割程度に過ぎず、本来、歳入をまかなう柱となるべき税金による収入を、将来返さなければならない借金である国債による収入が上回っているのだ。
また、2011年度の歳出を見ると、国債返済のための費用(国債費)は約21兆円で歳出の約20%。社会保障関係費の約27%に迫り、公共事業関係費の約7%よりもはるかに多くなっている。