中1・中2なら普段できない経験を[受験の天王山、夏をどう過ごす? 第3回]
大好きなものを見つけさせる
家にいるとついダラダラしてしまうからと、中1・中2でも夏期講習に通わせることにしているご家庭も多いと思います。夏期講習期間中はご家庭でもその予復習をしっかりやり、夏期講習でやることをしっかり身に付けることに集中してください。
そのほかの期間は、中3になるとできないことをしておくことをお勧めします。家族で旅行に出かける、自然と触れる、本を読む、スポーツをする、趣味に打ち込む、お稽古事をめいっぱいする……、それに加えておうちの手伝いもたくさんさせてください。
高校の先生に話を聞くと、小中学校時代に十分な外遊びをせず、机に向かう勉強だけしかしてこなかったお子さまは、どこかに欲求不満な状態が残っていると言います。
今のお子さまは住宅事情の関係から、動物を飼ったり、植物を育てたりする経験が乏しくなっています。また、虫にさわれなかったり、裸足で泥の中に入れなかったり、星を観察した経験がなかったり……と、自然体験が少なくなっています。
こうした、テキストに向かってする勉強以外の実体験が乏しいと、おもしろがるもの、強い関心を抱くものが何もなかったりします。お子さまは、大好きなものについては飽きることなくいつまでもかかわり続けるものです。こだわる対象があって初めて、自分から調べる姿勢が自然と身に付き、深い勉強につながるのです。ですから、忙しくなる受験学年になる前に、この大好きなものに出合うキッカケをつくってあげていただきたいのです。
また、体力を付けることもぜひやってください。毎年、肝心の追い込み期に体調を崩してしまう受験生がいます。また、体力がないために気力がわかないケースも頻繁に見られます。
そうならないために、中2までに体を鍛えておくことが大切です。
祖父母を訪問させる
祖父母のかたがいらっしゃるなら、お子さまだけで訪問させましょう。年配のかたの家の家具、生活習慣、そしてお年寄りとの会話が、お子さまの視野をグンと広げてくれます。
保護者のかたには失礼な言い方になるかもしれませんが、今の日本では、年配のかたほどきちんとした日本語を使っているものです。そうした点からも年配のかたの家に泊まりがけで出かけさせることをお勧めします。