我が子にあった入試システムを見極める 高校入試の多様なシステムをどう利用する?[高校受験]

■さまざまな名称がある入試システム

同じ名称の入試でも、都道府県によって実施される検査内容は異なり、名称だけでは判断ができないこともあります。大きく分けると、主に以下のような入試形態があります。


・「推薦入試」という名称で、調査書の成績と、主に面接で選抜する。
・「推薦入試」という名称だが、学科試験も課す。
・「前期選抜」という名称だが、中学校長の推薦がいらないだけで、検査内容は推薦入試時代と変わっていない。
・「前期選抜」「特色選抜」という名称で、調査書の成績のほか、学校によって面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題などさまざまな検査を実施して選抜を行う。
・「前期選抜」という名称で、「後期選抜」と同様に学力検査を実施して選抜を行う。
・「一般入試」1回に1本化した。


都道府県の教育委員会のホームページなどで、ご自分の都道府県の検査内容はどのようなものか、調べてみてください。検査内容によって、お子さまが向いているか向いていないか、これからどう対策を立てるのかが決まってきます。



■入試システムの選び方のヒント

2学期の成績や、これまでの模擬試験の結果を参考にすると、大ざっぱな分類ですが、次のような受験パターンが考えられます。お子さまはどれに当てはまるでしょうか?


・調査書の成績がまあよくて、第一志望の私立高校の推薦基準に達している(公立高校の場合は、この調査書点で合格している先輩がいる)なら、推薦での受験を考える。面接、作文など、志望校の検査内容に応じた対策を立てましょう。

・定期テストの成績はいいのだが、模擬試験の成績はいま一つ。合否判定でも志望校の合格可能性は一度も50%に到達したことがない。この場合、推薦での受験がふさわしいでしょう。

・調査書の成績は志望校の基準に届かないが、模擬試験の結果は比較的よく、本番に強いほうである。この場合は、推薦にはわき目もふらず、「一般入試」に向けて筆記試験に向けた勉強に集中したほうがいいでしょう。

・あまり勉強は好きではないが、スポーツ・芸術面で何か一つ得意なものがあり、それを伸ばしたいと考えている。そのような場合は、スポーツ推薦・文化推薦というものがあります(私立高校だけでなく、公立高校でもそうした入試制度を設けている都道府県が多数あります)。学校によって、種目・分野に指定があるので、本人の得意種目・分野に合致した学校を探すようにしましょう。


このほか、お子さまによって状況はさまざまかと思いますが、不安な心理から早く決めたいと焦って、それほど志望していない高校の推薦入試に走らないようにすることが肝心です。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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